こんばんは小堺です。
今回はアートとデザインの関係についてお話ししようと思います。
私が最近気になっいることの一つに、世間ではアートとデザインがごっちゃになっていることが多いと感じています。
特に○○アートという言葉が流行りの言葉のように使われており、これってアートなの?と思うようなものまでアートという言葉が使われていると思います。
言葉ではなんとなく「アート」と「デザイン」は違うなって思いますが、はっきりとこれがアートでこれがデザインって判断する理由を言えるか方は少ないのではないでしょうか。皆さんはどうですか?
今回はこの違いについて少し考えてみましょう。
アートとデザインの違い
まず、これは「アート」だなって思うものはなんでしょう。
美術館に飾ってあるものはとりあえずアートっぽい感じはします。
ゴッホやピカソなどの絵画や、ロダンの彫刻はまぎれもなくアートですよね?
それでは「デザイン」だなって思うものとはなんでしょう。
例えば椅子や机などの家具などはデザインですよね?
あとは身の回りの文房具から生活用品などもデザインと言えそうです。
それらの多くはプロダクトデザイナーがデザインしたものですから。
肩書の種類に○○デザイナーとつくものも多く、
インテリアデザイナー、グラフィックデザイナー、WEBデザイナーなどなどあります。
こうしてみると、「アート」と「デザイン」について共通しているところがありますね。
それは物を作り出すということです。
アートとデザインの境目
物を作り出すということで共通しているのならば、「アート」と「デザイン」の境目はなんでしょう。
どちらか分かりにくいものというのも結構あったりします。
例えば工芸です。
伊万里焼の器はアートでしょうかデザインでしょうか。
お皿に絵が描かれているところはアートっぽいですし美術館にも飾られるものもありますし、一方ではこれは器ですから生活で使っているのでデザインっぽい感じもします。
なかなか悩んでしまうところではないでしょうか。
「アート」と「デザイン」のちがいについて解釈はいくつかありますが、
私個人の考えでは、誰のために作るかというところだと思っています。
絵や彫刻は作家が作り出すときに、自身の今までの体験や、内面的なことなど、自分の気持ちを主にして作り出します。そしてそれは売れるかどうかということよりも作品の質や作家の意思の方が優先されます。
一方でデザインとは相手のために作るものです。作る側の内面的な気持ちはあまり関係ないのですね。コストダウンもしますし、質というよりも相手に気に入ってもらえるかということが優先されます。
この違いがあります。
ですから、例えばグラフィックデザイナーが描いた絵とアーティストが描いた絵は同じ絵というジャンルであってもそのニュアンスは異なるのです。
グラフィックデザイナーはクライアントとその顧客のために依頼通りの絵を描きます。
その絵には自分の思想が現れることはほぼありません。
会社のポスターを描く場合、その会社のブランドイメージに合わせたり、そのポスターを見る人に誤解なく分かりやすく伝えることに神経を使うはずです。
アーティストの絵では、たとえ絵の依頼があった場合でも、アーティストの意志ほうが尊重されます。
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