美術を目指すきっかけ

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小堺 勝

新潟の山と田んぼに囲まれた十日町生まれ。

毎年1m近く雪の積もる そんな町で生まれた。

その後家庭の事情で小学校に入学する前に東京へ引っ越す。

その時暗いアスファルトの道を歩いたことを私はよく覚えている。

夏休みや冬休みの時には決まって新潟に行き、昆虫採集や、石拾いなどをしていた。

このころに見たいままでで一番美しいと思うものがセミの脱皮である。茶色い皮から抜け出る、白とエメラルド色のセミだ。この経験をもとに制作したものが後に大学の卒業制作で優秀賞を受賞した。「package」である。

「package」

中学生の時に初めはロボットの外装を作るために工芸高校のアートクラフト科(金工)へ進学し、

その後周りの影響もあって表現者になりたいという気持ちが強まり、武蔵野美術大学へ入学した。

そして、大学時代では中学生の時の初めのロボットを作るという思いから、

ハンドル式の動く金属の作品を主に制作していた。

大学3年の時に現代美術作家のもとでアシスタントをはじめ、金属以外の素材を扱うようになる。

現在では主に和紙と金属を単体、組み合わせた作品を制作。特に組み合わせる場合は、二つの素材の性質が真逆であるため、(固いとやわらかい、反射と吸収、重い軽い、など)その組み合わせから生じる不思議さを狙った作品を展開。また、コンセプトとしては素材の対を他のものに落とし込んだテーマが多い。また、和紙単体ではその軽さを生かし、幼少のころに感じた、空間の中に存在するものとして川の水や空気の流れ、ある種の生物が抜け出た殻のようなはかなさ、空気感を意識した作品を制作している。

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