今回は「和紙は黄ばまないの?」という質問をよく耳にしているのでこの質問に答えたいと思います。
私は主に和紙を使った作品をしているので、その時によくお客様に聞かれる質問がこの質問です。
先に答えを言いますと、
基本的和紙は黄ばみません。
なぜ黄ばまないのかと言いますと、
実は原料が違うからなんですね
黄ばむのは和紙ではなく「洋紙」です。
一般的に使われるコピー用紙や新聞紙などは洋紙といって、和紙とは区別されています。
洋紙の原料は木のパルプを使っており、その中に含まれる「リグニン」という成分が黄ばみの原因になります。
このリグニンは日光や酸素、熱に反応して黄色に変色します。また、紙を作る上で使用する薬品も変色の原因になります。
洋紙の中でも機械パルプと科学パルプに分かれており、一般的に上質紙などに使われる科学パルプの方はリグニンを減らす処理をしているので黄ばみにくいものになっています。
一方で和紙の原料は、「楮、三俣、雁皮」のどれかを原料にしています。これらはもともと黄ばみの原因のリグニンの少ない植物で、和紙を作る工程でさらにこのリグニンを減らす処理をしています。
また、薬品もほとんど使っていないため、黄ばむことはありません。
むしろ、梳かれたばかりの和紙は未晒しといって生成り色をしており、それをわざと日に晒して白くするほどです。
なので和紙は黄ばむことはなく、むしろ白くなるのですね!
手漉き和紙の中で最高級と言われる西の内紙を梳いている和紙職人の菊池さんに言わせるとなんと1000年保つそうです!
私も作品には楮のみの和紙を使用しているので、劣化で黄ばまないようにしております。
ただ気を付けておきたいのは、一般に和紙とは言われていても中にはパルプの混ざっている紙もあるので、それらの紙は黄ばみますので気をつけましょう。
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