今回は美大生のうちに取っておきたい資格やスキルについて簡単に解説していきます。
学科別に必要なものをピックアップしました。
大学生は割と時間があるので、就職や将来のためにも勉強しておきましょう。
制作ももちろん大切ですが、こちらも同じぐらい大切。
制作の合間にでも勉強して早いうちに資格を取ってしまいましょう。
美大全般
まずどんな学科でも取ると良い資格について紹介していきます。
・adobe関係
Adobe関係は資格がいくつかあり、adobeが公式に設けている資格です。
デザインの分野ではAdobeのソフトを多く使うので、持っておくと良いです。(adobeは必須レベル)
特にデザイン系のアルバイト、就職にはAdobeソフトの経験を求められることが多いので、汎用性の高い資格。
美大生のうちにデザイン事務所でアルバイトをしてみたい!と思っている人は早めに勉強しておきましょう。
美大生の場合は就活用にポートフォリオを作る機会も多く、adobeは必然的に使うことになります。
また、デザイン系の学科の場合は授業でパネルを作ったり、冊子を制作するときにも必須レベルで使うので、マスターしておくと役立ちます。
主なadobeの資格
Illustratorクリエイター能力検定試験
Photoshopクリエイター能力検定試験
アドビ認定エキスパート
・色彩検定、カラーコーディネーター検定
色を扱う検定は美大生の就職先で扱うものも多いので取っておくと良いです。
色の専門的な呼び方や、配色の基礎を学べます。
就職では印刷・出版、アパレル・繊維、インテリア関係などでは特に重要。
カーデザインなどでも、会社に色を扱う専門の人がいたりと割と重宝されます。
普段の制作にも役に立つことは多いので、とるのがおすすめ。
色彩は美大の授業でも学べますが、検定の内容はより実務に近いスキルが学べます。
より専門的な内容になるので、僕は美大の授業よりも面白いと思ったし、ためになりました。
・教員免許
美大の進路の一つに美術教員があります。
美術教員になると美術に携われることと、長期の休暇中に制作もできるので美大生には結構人気な進路の一つです。
美術関係の仕事の中では最も安定した選択肢ではないでしょうか。
非常勤で、普段の自分の作家活動と並行して活動している人もいるので、作家志望だけど収入で不安な人がとっている場合もあります。
教員を目指すには教職専門の授業を追加で受講する必要があり、1~2年生の時は特に忙しくなります。
僕も3年生ぐらいまで履修していましたが、ほぼフル単位でとっていました。
教職の授業では、自分が小学校から高校まで受けた図工や美術の授業の意味について知れるのが面白い点です。
僕は武蔵野美術大学にいましたが、教員免許の授業を取っている人はかなり多かったです。
大体100人ぐらいいたと思いますね。
・学芸員
美大では学芸員の資格も取ることができます。
美術館や博物館で働きたい人は是非とっておきたいところ。
教職と同じく、普段の授業に加えて取らなくてはいけないので、ハードな学生生活になります。
学芸員は採用の枠がかなり少なく、就職はかなり難しいのでどうしてもなりたいという人以外は受けなくていいかなと僕は思います。
求人も学芸員の枠が少ないわりに経験が問われることが多いです。
ちなみに教職と学芸員を同時に履修するのはできなくはないですがやめた方がいいです。
課題の量が半端なく、就活にも影響してきます。
油絵科、日本画
油絵科や日本画は特に必要な資格はありませんが、授業ではadobeのソフトを使う機会が少ないので、adobeの資格を持っておくと良いです。
特にデザイン職に就職する場合にはデザイン科の人と競合するので、adobeの経験が就職に影響する場合も出てくる可能性があります。
1~2年生の時に授業外で独学して勉強しておくと良いでしょう。
日本画科や油絵科の場合、デザイン系のスキルは独学になります。
パソコンが苦手な人は大学中に自分用のパソコンを買って、普段からポートフォリオを作ったり、課題で使うなど、パソコンを使うのを習慣にしておきましょう。
在学中にデザイン系のアルバイトをしてみるのもありですね。
実務経験に近いスキルが身につくのでおすすめ。
具体的なアルバイトの探し方はこちらで解説しています↓
油絵科におすすめな資格やスキルまとめ
・adobe
Illustratorクリエイター能力検定試験
Photoshopクリエイター能力検定試験
アドビ認定エキスパート
・教員免許
彫刻科
彫刻家の場合は油絵科や日本画科と同様に、デザイン系のスキルを独学で身につけておくと良いです
illustrater、PhotoshopでDMやポートフォリオを作れるようになっておきましょう。
彫刻科で造形系の仕事に就く場合には自動車免許は持っておくと良いです。
要自動車免許のところが多く、持っておくと就職にやや有利かなといったところ。
制作物や道具を運搬する機会が多いので、自動車が必須になります。
自分で作家活動をする人にも、搬入出で必要になったりもするので、持っておくと便利
彫刻科におすすめな資格やスキルまとめ
・adobe
Illustratorクリエイター能力検定試験
Photoshopクリエイター能力検定試験
アドビ認定エキスパート
・教員免許
・自動車免許
デザイン科
デザイン科の場合、授業の内容と関連した資格が多くあるので、授業のついでにサクッととってしまうのもあり。
特に就職やアルバイトではPCスキルを求められることが多く(特にadobe)資格として持っておいた方がどのぐらい扱えるかの証明になるので有用。
また、デザイン系の資格にはWEBやプログラミングなどもあり、こちらもおすすめ。
自分でHPやアプリを制作できるようになるので、興味のある人も多いと思います。
自分のHPを作って作品を公開したり、アプリを利用した作品も制作することが可能に。
大学の長期休暇中にがっつり勉強してみてもいいかもしれません。
また、プロダクトデザインや建築系統に進む場合にはCADに関する資格を持っておきましょう。
美大でも授業で資格取得のためのカリキュラムを組まれる場合もあり、それを利用するのも手です。
自分で勉強するのが苦手な人は下記のような通信講座を受講するのもおすすめ
WEBデザイナーになりたい場合はillustratorやPhotoshopからホームページを作れるようになるのがベストです。
ですが、学生のうちだと結構大変なので、最初はwordpressを使えるようになると良いです。
現在のネット上にあるサイトの7割近くがwordpressで作られており、プログラミングを習得しなくても比較的簡単にサイトを作ることができます。
このブログもwordpressで制作されています。
とはいえほかの無料のHP作成サービスとは違い、かなり自由度は高く、デザイン性を上げることも可能。
ランサーズなどのフリーランスの仕事のサイトでは、wordpressを使った案件も多いです。
ポートフォリオサイトも作れるので、自分の作品を載せたポートフォリオサイトを作ってみましょう。
最初は難しい部分も多いですが、1か月も触ればデザインのカスタマイズもある程度自由にできるようになります。
HPの作成に関して、就職に向けてスキルアップを目指すのであれば下記のようなスクールに登録するのがおすすめ。
デザイン科におすすめな資格
・WEB関係の資格
ウェブデザイン技能検定
WEBクリエイター能力認定試験
・adobe
Illustratorクリエイター能力検定試験
Photoshopクリエイター能力検定試験
アドビ認定エキスパート
空間デザイン科
空間系の学科はインテリアや内装に進みたいのであればインテリアコーディネーターやインテリアプランナー、照明コンサルタントがおすすめ。
店舗の内装や家具の仕事では必須になります。
造形関係の仕事であれば、彫刻科でも話したように、自動車免許は必須になるので持っておきましょう。
空間デザインにおすすめな資格
・インテリアプランナー、インテリアコーディネーター
・照明コンサルタント
・自動車免許
映像科
映像科の場合は特に必須な資格はありませんが、唯一映像関係の資格で映像音響処理技術者資格認定があります。
テレビやラジオ、アニメの音声収録で見る大型の音響の機械がありますが、それを扱うための知識が身に付きます。
これらの仕事に携わりたい人は勉強しておくといいかもしれません。
最近だとyoutube用の動画編集の仕事やアルバイトも増えてきました。
また、自分で動画作品やアニメを制作してYouTubeにアップしてみると良いです。
工芸科
工芸科の場合は専攻によってもとっておきたい資格は大きく変わります。
金工の場合は就職先の選択肢の一つにジュエリー関係の仕事があります。
ジュエリーのデザインや販売ではジュエリーコーディネーターの資格が役に立つので勉強しておくと良いです。
また、作家志望の場合将来的に自分で金属工芸を本格的にやるときにガスを使いますが、その時にガス溶接の技能講習を受けると良いです。
アセチレンガスなどの取り扱いも学べるので、安全のためにも学んでおきましょう。
僕は金工を専攻していましたが、3割ぐらいの人がジュエリー系に就職していました。
テキスタイルの場合は色彩検定やカラーコーディネーターの資格があると良いです。
繊維関係は色がかなり重要なので、色の専門的な呼び方や、配色が学べるこの2つの資格があると就職にも有利。
アパレルでは、接客でお客さんに服を進めるときに配色が役に立ちますし、デザインでは色は専門用語を多く使うので、それを理解するのに役立ちます。
配色の仕組みもわかれば、なんとなく色を決めるのではなく、しっかりと理由をもって色彩が扱えるようになります。
木工の就職先としてはインテリア関係が多いです。
これに役立つのがインテリアコーディネーターとインテリアプランナーの資格。
どちらもインテリアに関する資格ですが、少し違いがあります。
インテリアコーディネーターは家具のみを扱うのに対し、インテリアプランナーは建築設計を含めたものになっています。
すでに完成している建築のデザインはインテリアコーディネーター、(特に大型の)建築前の段階から携わり、予算、スケジュール管理や、照明などを含めたものがインテリアプランナー。
工芸科におすすめな資格
・金工
→ガス溶接、ジュエリーコーディネーター
・テキスタイル
→色彩検定、ファッションコーディネーター
・木工
→インテリアコーディネーター、インテリアプランナー
建築科
建築科は建築士やCAD関係の資格があると就職に有利です。
建築士は卒業後に試験を受けることになりますが、勉強自体は美大にいる間にしておいても良いと思います。
一方でインテリアプランナーや照明コンサルタントなどは制限がないので、在学中にも取得が可能。
CAD関係の資格はいくつかありますが、CAD利用技術者試験や建築CAD検定試験が知名度もありおすすめ。
建築のデザイン事務所に勤めたい場合には勉強しておきましょう。
また、建築のデザイン事務所では自動車免許が必要なことも多いので取っておくのをおすすめします。
僕の高校は美術系の高校だったので、高校生でもCADの資格を持っている人がいたりしました。
建築科におすすめな資格
・建築関係
建築士
インテリアプランナー
照明コンサルタントなど
・CAD関係
CAD利用技術者試験
建築CAD検定試験
芸術文化学科
芸術文化学科では学芸員資格を取る人が多いです。
将来的に美術館や、博物館で働いてみたい人がとる資格。
資格取得は比較的簡単ですが、求人自体はかなり狭いので就職がかなり難しいですね。
とはいえ、僕の知り合いで美術館に勤めることができた人がいたので、可能性は0ではありません。
美術館でなくても、ギャラリーの求人は割とあったりもするので、そちらに就職するときにも役立ちます。
また、就職に有利化はわからないのですが、美術検定もあります。
美術検定は1級になると美術の社会情勢や社会貢献的な内容も含まれており、普段の授業の内容と被る部分も多いはずです。
なので、ついでに資格取得もありだと思います。
芸術文化学科におすすめな資格
・学芸員
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