抽象画とは?
抽象画とは、具体的な何かやものが描かれていない絵の全般を指します。
逆に具体的なものが描かれているものは具象画と呼ばれます。
具体的なものとは、例えば名詞でいえるようなもので、雲や家、人などがそうです。
これらが一切描かれていないものを抽象画と呼びます。
逆に名詞ではないもの、例えば温かさや楽しさや、何かのイメージなど具体的ではないものを描いたものは抽象画になります。
また、風や音、光、においなど目で直接見えないものを描いたものも抽象画に含まれます。
絵を見たときに、具体的に「これは○○が描かれている絵だ!」といえないものは抽象画といえます。
また、絵によっては具象画と抽象画の間の半抽象画なんてものもあります。
この辺はかなりあいまいです。
・具象画…目で見える具体的なものが描かれているもの
・抽象画…目で見えないものや、イメージを描いたもの
見分けるポイントは絵を見たときにはっきりと「これは○○の絵」といえるかどうか
抽象画はわからない?
僕の周りにはよく抽象画の見方がよくわからないという人がいました。
実際、具体的なものが描かれていない抽象画はどう見ればいいのかわからない人が多いのではないでしょうか。
何か取っ掛かりが無いとこれは○○が描かれている絵といえずに、これは何の絵だかわからず結局よくわからない絵と思ってしまいますよね。
抽象画と現代アートはよくわからない絵といわれることが多いですね。
抽象画の見方
美大を卒業して現在も絵を描いている僕が思う抽象画の見方を今回紹介します。
抽象画は最初は何も考えずに見る
抽象画の見方はまず、何も考えずに見るということをやってみましょう。
いきなり何も考えるなといっても難しいかもしれませんが、
遠くの景色を眺めるような感じで頭の中を真っ白にします。
散歩しながらふらっとお店のショーウィンドウを見る感じで見てみます。
とりあえず10秒ぐらい見てみましょう。
感じたことや気持ちの変化について考える
なにも考えずに見たあとに、その絵を見たときに感じたことや自分の気持ちについて考えます。
あったかいとか、冷たい、暗い、楽しそう、激しい、穏やか、安心する、不安など
かなり微妙な変化の場合もありますが、絵を見たときの何らかの変化に気が付くと思います。
抽象画はこれだけで見方は大体OK
具体的なものが描かれていない分、こうしたことには気が付きやすいのがこの抽象画を見るときのだいごみです。
抽象画は本当にこんな感じでもうOKです。
もっと深く見るときは
もっと深く見る場合は、なぜそう感じたのかやイメージについて考えるといいです。
なぜこの絵は暖かい感じがするのだろうとか、まるで○○のようだとか
そうやってなぜ?やイメージを増やしていくと、一つの抽象画からどんどん言葉と世界が広がっていきます。
ここまでくれば抽象画だけではなくどんな現代アートや彫刻を見ても同じように世界を広げることができます。
これでアートの鑑賞マスターです。
最初にこの鑑賞をする作品は、抽象画を見てなんか気になったものから入るのがオススメ。
たくさんの絵の中から1枚だけもらえるならどれをもらうかと考えると、好きな絵が決まってきますよ!
決まったら、なぜその絵を選んだのかについても考えてみましょう。
抽象画をもっと知るための本
抽象画や絵の鑑賞の仕方をもっと知るためにおすすめの本を紹介していきます。
ぜひ一緒に読んでみるとより絵を見る楽しさが沸くのでオススメ!
今回は3冊ピックアップしました。
13歳からのアート思考
この本はアートの見方についてこの世で一番わかりやすく、面白く解説している本です。
タイトルには13歳とかかれていますが、大人に読んでほしい本。
アートってなんだか難しくてよくわからないと言って嫌煙している人もこの本を読めば、その理由についてもすっきりするそんな本になっています。
アートってそもそも何?というところから、なぜ男性用便器を置いただけの作品が有名なのか、素晴らしい絵とはいったい何なのか。そんな疑問も解決してくれます。
この本を読んだら美術館に行きたくなりますね。
美術が苦手な人にほど読んでほしい本。
もともと絵は抽象である 高校の美術で探った「絵画とは何か」
この本は高校の美術の授業で生徒たちへのアプローチの結果から、絵を見ることとはいったい何なのかについて解説しています。
多くの人にとって、絵の見方を学ぶということは中学や高校で最後の機会になっているはずです。
その絵を見る授業とはいったい何のためだったのかについても気が付かせてくれる本。
鑑賞のための西洋美術史入門
美術史を学んでおくと、絵画の理解が深まります。
絵は流行のように時代の流れとともに変化してきており、最初は具象画ばかりだった絵が抽象画に移り替わってきました。
現在ではコンセプトが主流の現代アートに移り替わってきましたが、そんな時代の流れが分かる本になっています。
美術史の本の中ではこの本が一番わかりやすかったので今回紹介しました。
抽象画は最初からあったわけではありません。
はじめはこんなのは絵ではないと批判された時代もありました。
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