日本画用の金箔、銀箔の選び方
今回は日本画用の箔の種類と選び方を解説していきます。
意外と種類があり、自分の絵に最適なものを選ぶことで絵の完成度もぐっと上がります。
ぜひ参考にしてみてください、、!
金箔、銀箔はいろんな色がある
一言に箔と言っても、金属の種類によってたくさんあります。
金箔の中でも、銅と銀との割合で10種ちかくありますし、プラチナ箔は錫箔などもあります。
金属の箔であれば日本画の箔貼りに使えるので、いろいろ試してみるといいですね!
箔の種類
箔は大きく下記の種類に大別されます。
・金箔
・真鍮箔
・銀箔
・プラチナ箔
・アルミ箔
・錫箔
金箔
金箔の種類は日本と海外で呼ばれ方が異なります。
海外で多いのが金は24分率で種類が大きく分かれ、金と銀または銅の含有量の比率が数字になった呼ばれ方。
例えば、24金は100%金、18金は75%金で25%(銀・銅)です。
また、日本画材では、1号色、2号色などと呼ばれ、数字が大きいほど金以外の比率が高いです。
銅や銀の割合はみんな違うので、確認しておくといいですね。
上記は金沢カタニさんで取り扱っている箔の一覧です。
同じ金箔でも微妙に色が違うのが分かりますよね
銀の割合が多い金は青白っぽく、(銀が多いと若干緑っぽい色も感じさせます)
銅が多いと赤っぽくなります。
配合比は購入元で明記されているので、確認しておくと良いでしょう。
日本画において、必ずしも24金がいいというわけではないので、作品の雰囲気によって適したものをつかいましょう。
真鍮箔・洋金箔(代用金箔)
金箔が高価なため、代用で真鍮の箔もあります。
フェイク金箔や、代用金箔、模造金箔と表記されることもあります。
安価で金箔のような見た目なので気軽に使える点はいいですね。
補足ですが、真鍮は銅の合金なので経年変化します。
酸化して鈍く茶色っぽくなっていきます。
銀箔
銀箔も日本画では人気がある箔です。
金と違って、渋い感じになるのがいいですね。
金と比べると価格もそこまで高価ではありません。
また、銀は空気中の硫黄と反応して経年変化で黒っぽくなります。
硫黄と反応して黒くなる性質を利用して、あえて黒くする方法もあり、日本画ではよく用いられます。
銀を”焼く”と言われ、硫黄の粉をまいて放置したり、硫黄粉と銀をアイロンで加熱したりといろいろ試されていますね。
プラチナ箔
プラチナ箔はわずかに白っぽい銀色をしています。
箔においては割金が使用されることはあまりなく、プラチナ100%であることが多いです。
プラチナ単体では錆ないので、経年変化で色は変色しません
アルミ箔・錫箔
アルミ箔は銀箔、プラチナ箔の代用として使える箔です。
模造銀箔、フェイク銀箔とも呼ばれます。
銀箔よりは白っぽいかなと感じますね。
アルミ自体は錆びて変色しにくいことと、とても安価な点で優秀です。
錫箔は銀箔よりも黒っぽく鈍い感じがします。
錫も非常にさびにくい金属です。
その他 着色した箔
金属に着色した箔もあり、とてもカラフルなものがそろっています。
使いこなせれば現代的な作品が作れるかもしれませんね!
補足 経年変化と防ぐ方法
金属によっては空気中の酸素や水分、硫黄と反応して経年変化で錆びて色が変わることがあります。
金、プラチナの箔は酸素や硫黄と反応しないので、錆びることはなく、ずっと変わらないまま。
逆に、銅は酸化して茶色っぽく、銀は硫化して黒っぽくなります。
混ぜられた合金の場合でも銅や銀の割合が多いほどこの変化は起こりやすくなります。
この変化を楽しむのも一つですが、変化させたくなければ金やプラチナが多いものを使う必要がありますね。
また、変色を止める方法として、表面処理をする方法もあります。
上からドーサを引いたり、有機溶剤のスプレーで止めることは可能。
コメント