デザインの専門学校と美大の違い
今回は進学先を考えている高校生や社会人向けにデザイン専門学校と、美術大学の比較をしていきたいと思います。
それぞえれを学費や授業内容の違いについて解説していきます。
ちなみに僕自身は美術大学を卒業しています。
学費
学費は大まかに以下のようになっています。
国公立の美術大学<専門学校<私立の美術大学
詳しくは下で紹介していきます。
美術大学の学費
美大の学費は私立の美大で約年間160万前後。
授業料が30万円ほど。
4年生の大学に通った場合は30+160×4で670万円
プラスで予備校に通うのがほぼ必須になるので、その授業料が年間50~60万円。
そのため、トータルで720万円近くかかります。
国公立の美大(東京芸術大学の場合)は授業料が年間53万円ほどで、入学費を含めても220万円前後で通えます。
とはいえ、藝大の場合は何年も浪人する方が一般的なので、予備校代は多めにかかります。
国公立の美大は学費が安くコスパで言えば最高です。
デザイン専門学校の学費
専門学校の場合は学校によって在年数が異なるのでトータルでは金額がばらつきます。
学校法人原宿学園の東京デザイン専門学校の場合、
入学金が18万円、授業料が年間110万円で3年制。
そのため、350万程度かかります。
(桑沢デザイン研究所は3年間で420万円でした)
年間の学費が110万円ということで私立の美大と公立の美大の間ぐらいの金額になっています。
私立の美大に通うよりはトータルで安くなっていますね
授業内容
授業内容は美大と専門学校では目的が異なります。
美大はより長期的、専門学校では短期的に役立つことを学ぶといった感じです。
詳しく解説していきます。
美術大学の授業内容
美大の場合、専門学校と比較すると、
制作以外のことも学べるのも大きなポイントです。
例えば、語学や、解剖学、数学、美術史などなど。
制作にかかわるものからそうでないものまで広く学ぶことができるようになっています。
美大の場合は入学の段階で実技の試験があるので、基本的なデッサンや色彩の勉強は入学前に済ませます。
そのため、授業であまり取り扱いません。
キホンを知ったうえで、それを生かして作品制作をする授業になっています。
これは有名美大ほどそうなっています。
とはいえ、授業内容は就職に向けたというよりも、教養・学問として学ぶ内容です。
作品制作の考え方やプロセスをメインに自分で学んでいくことになります。
また、美大は設備が良く、図書館や工房が充実しています。
ちなみに、美大の通信コースは僕はあまりオススメしていません。
メリットがあまりないかなと思います。
通うなら専門学校のほうがいいです。
デザイン専門学校の授業内容
デザインの専門学校の授業は美大と比較するとより実践的な内容になっています。
美大に比べると在学年数が低い分、その分野のことを一つだけ行い、就職に向けてのポートフォリオの制作や面接の対策を行います。
また、分野が細かく分かれているのも特徴です。
デザインだけでも、UI/UX、WEBデザイン・プログラマー、服飾、空間など細かいです。
自分の希望の分野が決まっており、早めの就職をしたいのであれば専門学校も視野に入れたいところ。
また、場所によって社会人向けに夜間コースや休日のみのコースもあるので、仕事をしながらスキルアップとして学べるところもあります。
生徒の様子
美術大学の生徒
美術大学は高校から進学してきた人が大半
現役生から有名美大であれば1~2年の浪人生が多いです。(東京の5美大といわれる大学なら)
また、中国を中心とした留学生もいます。
大学院生では30歳前後の社会人も増えてきます。
全体の雰囲気として、受験の難易度が高い美大ほどモチベーションも高いです。
デザイン専門学校の生徒
専門学校は美大と比べると受験も無いので、学生のモチベーションは全体的に低め。
そのため、専門学校に通うのであればその業界で有名なところに通いたいです。
例えば、ジュエリーの専門学校ではヒコミズノ、デザインであれば桑沢デザイン研究所が有名です。
その業界では有名な専門学校であれば生徒のモチベーションも高め。
専門学校は通うならしっかりと選びたいところ。
逆に社会人向けであれば、学費と時間を自分で工面している分、モチベーションが高い人が多いかもしれません。
体験入学や下見ができればしておいた方が良いです。
オープンキャンパスで授業の成果物もよく確認しておきましょう。
複数を参考にして比較しておくと良いです。
就職
就職は一般的には美大のほうが良いです。
高校生から進学する場合は美大がオススメですが、
社会人から転職の一環として専門学校に通うのはありだと思います。
美術大学の就職
有名美大であれば、専門学校よりも就職先が良い場合が多いです。
まだ日本の大手企業では学歴社会があり、自動車メーカーのデザイン職やゲーム会社の企画などは有名美大卒であることがほとんどです。
そのため、自分のキャリアをしっかりと考えるのであれば有名美大への入学をオススメします。
例えば東京近辺の美大であれば東京藝大、武蔵野美術大学、多摩美術大学など。
専門学校から編入・大学院に入学できる場合もあるので、調べて検討してみましょう。
美大には受験があるので、そもそものモチベーションが全体的に高めです。
デザイン専門学校の就職
デザインの専門学校の就職は講師や学校のコネの就職が決まることが多いのがメリット。
講師は現役で活躍している人も多いため、より実際の仕事に近いことも学ぶことができます。
デザイン系の専門学校では大手のデザイン会社に就職は難しく、できるのはその業界で有名な専門学校だけと考えておいた方が良いです。
中小企業のデザイン会社であれば入ることはできます。
もし、大手のデザイン会社に就職を希望するのであれば、美大に編入できるようなところを探した方が良いかもしれません。
美術大学のメリットデメリットまとめ
美大のメリットとデメリットをまとめると下記のようになります。
メリット
・教養として様々な分野のことも学べる
・学生のモチベーションが高め
・大手企業に就職しやすい
デメリット
・私立の美大は学費が高い
・受験がある
・社会人になると通いづらい
デザイン専門学校メリットデメリットまとめ
デザインの専門学校のメリットとデメリットをまとめると下記のようになります。
メリット
・受験がほぼ無いことが多い
・私立の美大よりは学費が安い
デメリット
・モチベーションが低くなりがち
・大手企業への就職は難しいことが多い
このような感じです。
新卒で大手の会社に就職を考えるのであれば、専門学校は美大への編入も視野に入れて大手の専門学校をオススメします。
美大・専門学校に通うなら資料請求・見学をしっかりして見極めよう
さいごに、美大や専門学校に通う方向けのアドバイスとして、
しっかりと資料請求やオープンキャンパスの見学をして比較して見極めてから決めましょう。
当たり前のことですが、今後の就職にも大きく影響するので、後悔の無いようにしてください。
以下のようなところで資料請求して比較資料として持っておくと参考になります
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