コピック・アルコールマーカーの色あせを防ぐ方法を解説!
今回はコピック・アルコールマーカーで描いた絵を大切に保管する方法について解説していきます。
コピックは色あせが起きる画材です。
時間がたつと色が変わったり消えたりしてしまうので、そうならないための対策方法について紹介していきます。
せっかく描いた絵は大切にしたいですよね。
そのために、しっかりとした保存の仕方をしっておきましょう。
コピック・アルコールマーカーの原料
コピック、アルコールマーカーの原料はアルコールと染料です。
水は入っておらず、アルコールが溶剤になっており、広い意味では油性ペンに属します。
染料は顔料よりも透明感があり、鮮やかなのが特徴。
補足:一方で色の原料にはもうひとつに顔料がありますが、そちらは色がすこし鈍くなります。
アルコールマーカーのメーカーについてはこちらの記事でまとめています
染料は紫外線で退色する
染料は色がきれいな反面、紫外線に弱いというデメリットを持っています。
色によって耐性は異なりますが、特に赤や黄色は薄くなりやすいので注意。
他に染料を使っているものとしては、手染めの布や、プリンターのインクなどがあります。
昔印刷されたもので、色が変わっているものを見たことが無いでしょうか。
それと同じ現象がアルコールマーカーでも起こります
紙も紫外線に弱い
インクの染料は紫外線に弱いことが分かりましたが、紙も紫外線に弱い素材です。
例えば古本は紙が黄色くなりますよね。
それと同様に黄ばみが発生します。
洋紙の原料は木を砕いたパルプですが、その中にリグニンという成分が含まれています。
そのリグニンの性質として、紫外線に反応して茶色く変色する性質をもっています。
そのため、染料と同様に紫外線の対策が必須になります。
紫外線を防ぐ方法
紫外線を防ぐ方法はいくつかありますが、この2つがおすすめ。
・暗い場所で保管する
・蛍光灯をLEDライトに変える
・アクリルで額装する
特に太陽光が天敵で、光を直接長時間当てないことが重要になります。
室内の蛍光灯からも紫外線は出ているので注意。
補足
絵画では紫外線カットのためにUVカットスプレーが販売されていますが、
アルコールマーカーはUVカットスプレーを使うことができないので注意。
アルコールマーカーは有機溶剤系なので、同じ有機溶剤系のスプレーを使うと絵を溶かしてしまいます。
蛍光灯をLEDライトに変える
実は蛍光灯からは紫外線が多く発せられますが、対してLEDは紫外線をあまり出さない違いがあります
市販されているLED照明の多くは(1)の方式で疑似白色(あるいは疑似電球色)を作り出しているため、紫外線成分はほとんど含まれません。蛍光灯とLEDの紫外線量を比較すると、表面接触時に計測した場合、蛍光灯では約113~159μw/cm2なのに対して、LED照明では約0.5~0.8μw/cm2となり、約200分の1にまで低減されることになります。
大塚商会 https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/led/qa/uv.html
そのため、美術館でもLEDライトはよく使われており、作品保護のためにはとても有効です。
室内で絵を良く飾る人は、部屋の明かりをすべてLEDにしておいた方がいいかもしれませんね。
保管はアクリルの額装がおすすめ
保管にはアクリルの額装がおすすめ。
額装をするだけで紫外線や湿気、ほこりなどから作品を守ってくれます。
アクリルは紫外線を90%ほどカットする素材なので、アクリルで額装するだけで紫外線から作品を守ってくれます。
※100円ショップで販売されている額はアクリルが使われていない場合があるので注意。
また、ガラスの額装は紫外線を防いでくれないので、必ずアクリルにしましょう。
より紫外線から守りたい場合は専用の紫外線カットアクリルを使います。
紫外線カット(UVカットアクリル)は大抵の額装の専門店で取り扱いがあり、額を注文するときに言えばUVカットのものに変更することができます。
通常アクリルに比べてUVカットのものは価格が2倍ほど。
参考として額縁のタカハシ(https://www.gakubuti.net/user_data/acrylic.php)では通常アクリルが紫外線を90%カット、UVカットは98%カットするようです。
AmazonでもUVカットアクリルを使った額を購入できます。
例えば下のような商品で、必ず”UVカットアクリル”のあるものを購入しましょう。
お近くに額装屋が無い場合はネットでの購入がオススメ。
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