画材には色の原料が2種類あるのをご存知でしょうか。
ひとつは顔料、もうひとつは染料。
画材の裏には必ず書いてあります。
是非確認してみてください。
でも染料と顔料ってどう違うの?と思いますよね。
そこで今回は染料と顔料の違いについて解説していきます。
染料と顔料の違い
染料と顔料の違いですが、染料は色の成分を抽出したもので、顔料は色の原料そのものという感じのイメージです。
たとえるなら、挽いたコーヒー豆が顔料、液体のコーヒーが染料という感じ。
ペンでも、顔料と染料のものに分かれていたりします。
それぞれ特徴が異なるので、簡単に解説します。
ペンやプリンターのインクはものによって染料と顔料が両方あります
うまく使い分けたいですね。
染料の特徴
・草花などから色の成分を水や油に抽出したもの
・透明感があり、発色が良い
・経年変化で退色しやすい
・ペンやカラーインクに多い
染料は色の成分を抽出したもの。
例えるなら、ドリップしたコーヒーみたいな感じですね。
色の原料は自然のものでは草花が多く、布の染物などではさらに金属の酸化還元も利用して色を変化させ定着させます。
抽出しているので、顔料よりも透明感があり、発色が綺麗です。
特にカラーインクを紙に垂らした時の色の美しさは良いですよね。
ただ、発色が良い分、経年変化には弱いので注意。
よく昔プリンターで印刷したものが色褪せているものをみたことはないでしょうか。
家庭用のプリンターは染料を使っているので、そのような退色が起こります。
長期保存する場合は紫外線対策としてアクリルの額に入れたり、UVカットスプレーをして保存します。
スキャンしてデータとしても残しておきましょう。
染料系の画材は色がきれいなので、イラストレーターに人気があります。
基本的にデータにして保存するので、耐光性は問題ないですね。
顔料の特徴
・鉱物などを砕いた色の粒子そのもの
・発色は染料に劣るものの、色が強い
・経年変化による退色に強い
・アクリル絵の具や油絵具などに多い
顔料は鉱物などを砕いたものをそのものです。
色の原料そのものなので、退色にも強いのが特徴。
昔の油絵画家は鉱物を丁寧に細かく砕いてそれを卵やオイルに溶いて使っていました。
日本画では動物のコラーゲンである膠に溶いて使っています。
経年変化による退色が少ないので、長期保存を目的とした絵画を制作する時は必ず顔料を使いましょう。
用途としての染料と顔料
染料と顔料は用途によってはしっかり使い分ける必要があります。
一番大きいのは、屋外に貼るチラシなどには染料のインクで印刷したものを使わないなどです。
これは紫外線で退色しやすいため。
染料のプリンターで出力した看板が色あせて文字が消えてしまうことをたまに見かけます。
染料を使ったオススメの画材
染料の画材といえば、カラーインクとコピックペンがよく使われますね。
染料系のカラーインクは万年筆や筆につけて描いたり、そのまま画面に垂らしてにじませたりできます。
意外と用途は多いので、あると結構便利。
コピックはイラストレーターやデザイナーはほぼ必須の画材です、
透明感のある色合いが美しく、アルコールなのですぐに乾き、手早く塗ることができます。
顔料を使ったおすすめの画材
・日本画(岩絵の具、顔彩、墨など)
・油絵具
・水彩
・アクリル絵の具
・色鉛筆
・クレヨン、パステル
画材には顔料は結構多いです。
基本的に、顔料となるもの(鉱物など)を微粒子にして、それをどんな媒体で混ぜるかで何絵具かが分かれます。
膠なら日本画、オイルなら油絵、卵ならテンペラなど。
顔料の粉末そのものも売っており、自分で画材を作ることもできます。
画材の種類の一覧はこちらでまとめています↓
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