なぜ美術作品は破壊されるのか
今回はアートとその破壊についての記事をまとめてみました
比較的記憶に新しい事件をピックアップしたので参考にしてください。
実際の事例
僕の記憶するアートの扱いに関するニュースは主に下記の3つ
修学旅行中の中学生による美術館内の作品の破壊
ドット絵の現代アーティストの作品の撤去
モナリザへのパイ投げ
修学旅行中の中学生による美術館内の作品の破壊
去年現地で撮った動画や写真を昨日から見てました。皆様の思い出までにシェア。
— ちえY (@chieeeey1) June 9, 2022
クワクボさんの声が多くの人に届きますように。 pic.twitter.com/bgDZcXcwh5
6月6日、修学旅行中の新潟市の中学生が十日町市にある越後妻有里山現代美術館『MonET(モネ)』に展示されていた『越後妻有 大地の芸術祭2022」』の作品2点を破損させたと十日町市が発表した。展示は4月29日~11月13日までの145日間なされる予定だったが、生徒が壊したのは4月21日のことだった。
中学生により美術館内の作品が破損したということでTwitterでも大きなニュースになりました。
複数の生徒が関わっているようです。
破損した作品の作家のひとりのクワクボリョウタさんのコメントは下記の通りです。
すみません。日本語の方に意味不明な表現があったので直しました。こちらをお納めください pic.twitter.com/fmKBZTtahq
— ryota kuwakubo (@RyotaKuwakubo) June 9, 2022
修学旅行で気分が浮かれてやらかすこと自体割とよく聞きますよね。
テーマパークで着ぐるみの人を池に突き落としたとか、、
今回の場合も器物の損壊で犯罪なので許されるものではありません。
ドット絵の現代アーティストの作品の撤去
東京都渋谷区神南の高架下に描かれていた「鉄腕アトムの絵」が撤去されたと、2022年6月下旬ごろからツイッターで話題になっている。
正体を伏せて活動する有名芸術家「Invader(インベーダー)」が約10年前に手がけたもので、一定の人気を博していた。なぜこのタイミングだったのか、区に聞いた。
Jcastニュース https://www.j-cast.com/2022/06/25440136.html?p=all
こちらは渋谷に描かれたグラフィティーアーティストの作品が撤去されたという話です。
このインベーダーは世界的に有名なアーテイストで、世界の各地にドット絵のアートを街に残しています。
バンクシーと同じような感じのアーテイストですね。
この鉄腕アトムの作品もその一つ。
落書き自体は違法ではありますが、アートとして許容されるべき面もあり、
事実、この作品は10年以上も前から存在し、渋谷のシンボル的な存在にもなっていました。
Twitter上でも撤去に対し、悲しむ声が出ています。
同じような同氏の鉄腕アトムのモチーフの作品が1億6000万円でオークションで落札されており、
この作品にも相応の価値があったものとされています。
バンクシーが東京に描いた絵も一時期ニュースになりましたね。
こちらは撤去ではなく移設され、保護されています。
対応の違いに差がありますね、、
東京に描かれたバンクシーの作品についての詳細はこちらの記事で解説されています↓
smart-flash https://smart-flash.jp/lifemoney/90225
モナリザへのパイ投げ
観光客で混雑する日曜日、カツラをかぶって老婆に変装し車椅子に乗った36歳の男が、突然立ち上がってモナリザの絵を保護する分厚い防弾ガラスを叩き割ろうと試み、割れないことがわかるとクリームパイとバラの花を投げつけました。
引用 France365 https://info.ensemblefr.com/news-821.html
男がパイを投げつける様子を撮影した人はいなかったようですが、現場にいた観光客のビデオには保護ガラスについたクリームを拭き取ろうとする警備員の姿が写っています。
Maybe this is just nuts to me💀but an man dressed as an old lady jumps out of a wheel chair and attempted to smash the bullet proof glass of the Mona Lisa. Then proceeds to smear cake on the glass, and throws roses everywhere all before being tackled by security. 😂??? pic.twitter.com/OFXdx9eWcM
— Lukeee🧃 (@lukeXC2002) May 29, 2022
海外での事例です。
このような事例はたまにニュースで流れますよね。
海外の美術館の場合、高額な作品でもかなり近寄ってみることができてしまいます。
モナリザは過去に何度かこのような被害を受けています。
そのため、作品には防弾ガラスが設置されており、今回は作品の破損にはつながりませんでした。
抗議活動とはいえ、わざわざアート作品にパイ投げするのはモラルがなさすぎですね。
僕自身の体験談
上記の事例のように大きなことでなくても、小さな事例はいくつもあります。
僕が以前大学在学中に作品を展示する機会がありました。
その作品はオイルパステルで描いており、画材の性質的に作品の表面は固まらないものでした。
(クレヨンをイメージしてください)
にもかかわらず、展示中に作品を触る人がけっこういました。
その人たちも一応美術関係の人なのですが、割とへいきで触ってきます
悪意がないにしろ、めっちゃやめてほしかったですね。
僕は工芸科だったので、ガラスや陶器の作品などを作る友人からもこのようなぞんざいに扱われたという話をよく聞きました。
アートが特別というわけではないが、替えが効かない
個人的な意見としてはアートが特別で、アートだからいけないというよりはなんでも物を大切にしてほしいと思っています。
たまたまアートが高額であったから話題になりますが、1億の価値があろうが千円の価値のものであろうが展示されているものや人のものは不用意に扱ってはいけないです。
(当たり前のはなしですが、、)
アートの場合は作品が基本的に1点もので替えが効かず、修復もしずらい点も考慮に入れなくてはいけません。
また、作品を制作する側としても自分の一部であるような意識で制作をしているので、ぞんざいに扱われるとかなりへこみます。(自分の価値がその程度だったのか、、!って)
アートにもっと詳しくなるおすすめの書籍はこちら↓
今回は少しセンシティブな話題でしたが、このニュースをきっかけに逆にアートに関心を持つ人が増えてほしいと思っています。
よくテレビで見るアートのニュースはよくこの作品が○○億円!とかっていうお金の話題ばかりですが、もっと知れば知るほど深く面白い部分があります。
海外の優秀な経営者の多くはアートの知識が大人の嗜みとして深いようです。
この機会にぜひアートの知識をつけて教養人になってみてはいかがでしょうか。
僕のおすすめの書籍を紹介しているのでぜひ読んでみてください。
一番わかりやすくて面白いのが上記の13歳からのアート思考という本です。
他の本ではなかなか書かれていないアートの本質について、美大で学べる事がこの1冊につまっています。
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