ブルーピリオド10巻を実際の美大の体験とともに深掘りしてみました!
こんばんは!こざかいです。
今回はブルーピリオドの10巻の考察です!
僕も美大生だったので、その実体験をもとに比較しながら考察していきます。
ネタバレも多分に含んでいるので、一度漫画を読んでからこの記事を読んでいただけると幸いです。
美大生にとってはブルーピリオドはあるあるなことが多すぎるので、そのあたりを話していきます!
ブルーピリオドの10巻の大まかな流れ
世田介くんは今まで人との関わりを極力抑えた生き方をしていましたが、今回その考えを改めることになりました。
以前から八虎や猫屋敷さんにはかなり強く当たっていましたよね。
世田介君は自分が絵が描ければそれでいいというある種のプライドや心の拠り所があり、
そして今回は猫屋敷さんからの作品への指摘に強く反発する形になります。
その後、ウサギと女の子の会話を通して、自分が友達だと思っていたウサギに自分自身が嫌だった支配をしていたことに気が付き、
八虎たちとの人とのかかわりを改め、その体験をコンセプトに自由制作しました。
今回は世田介君がメインの回になりました!
僕は世田介君が好きなので、嬉しいです。
美大生は人との関わりが苦手な人も多い
世田介君は世渡り下手な人物として描かれていますが、
実際、現実の美大生でも人との関わりが苦手な人が多いです。
僕も苦手なので、世田介くんの気持ちはわかります。
美大生の中には子どもの頃にいじめられていたりとか、何かしらの心の病を抱えていたりする人も一定数います。
美大なので、絵が描けることを気持ちの拠り所にしている部分が多いのですが、
よりどころしているからこそ、教授に作品を指摘されるとその拠り所を壊されるのでかなり精神的に辛くなることも。
他の人の作品がよく見えたり、当たり前のことすらできない自分に自己嫌悪することもしばしば。
大学にそのまま来なくなる人もいます。
人付き合いが苦手なので作品を作っている節もあります。
最近この「美大生がうつ病になった話」という本をたまたま読んだのですが、
読んでてかなり、共感してしまうことが多かったです。
「作品を否定される=その人の人格否定」
のように感じてしまうこともあったり、
「作品の制作は答えが無く、悩み続ける」という性質上、ドツボにはまりやすいです。
googleで”美大”と検索すると、関連キーワードに”美大 うつ””美大 辞めたい”とか結構出てきます。
美大は楽しく明るい一面がある一方で、人によってはつらくなることもありますね。
作品の講評の時はどんなに作品に自信があっても、いつも逃げ出したい気分でした。
世田介くんの自由制作
世田介くんの自由制作のコンセプトが少しわかりにくいところもあるので、詳しく解説していきます。
自由制作では檻の中のうさぎを描いていました。
コンセプト
今まで自分は檻に入れられる(家族や教授に方向性を決められる)ことを極端に嫌っていた。
だが、自分が友達だと思っていたうさぎも自分は同じように檻に入れていた。
これがコンセプトでした。
お母さんから身の回りのものを買い与えられ、絵の道に進ませたいという、世話を焼かれるのが嫌になった。
教授からも作品の方向性を決められて、、
けど、なかなか抜け出せない自分にさらに嫌悪感を抱いてという心情を前提に作られた作品。
完全に世田介くんの主観でできた作品。
作品のコンセプトが重視されるのはなぜ?
アート作品は常にその時代で新しいものが歴史に残っています
作品のコンセプトが重視されるようになったのはここ最近のことで、それ以前は見たままを描く具象画や、感じたままを描く抽象画が主流でした。
その時代の移り変わりの中で、時代を先取りしていた作品が歴史に残っています。
現代では、作品のコンセプトが重視されるので、猫屋敷さんから歴史に名を残すのはどんな作家だと思う?と聞かれたわけです。
とはいえ、実際は今生きている作家の全てがコンセプトを重視した作品を制作しているわけではありません。
今でも伝統的な日本画や、油絵の肖像画は描かれていますし、小松美羽さんのようにインスピレーションで描く人もいます。
その作家の気質によってこの制作スタイルは変わってきますね。
歴史に名を残すと思わなければ作品はどのように制作してもいいのです。
とはいえ、藝大では歴史に名を残すことが重視されています。
美大(特に藝大)では商業画家は嫌われる風潮もあります。
猫屋敷さんは、世田介くんが頭がいいので、戦略的にコンセプトを練ってくるタイプかと思ってアドバイスしていました、
ですが、世田介くんは実体験をもとに描く絵の方が合っていた感じで食い違いがありました。
デパートで見た絵に対しても、チャンネルが合うと言っていましたよね。
コンセプトがあるといいのかなくてもいいのか、自分に合った作品スタイルとは何か。
これは答えがないので、なかなか難しい問題です。
作家は一生をかけて悩む問題でもあります。
また、今回の八虎のように、周りの人の言葉がきっかけで自分の趣向に気づいて、それがコンセプトになることもあります。
作品の制作スタイルは多種多様です。
作家の在り方や作品の多様化が進んだ現代では、一概にどれがいいとは言い切れません
小野冴夏のモデルは小松美羽
10巻で登場した人物で小野冴夏さんがいました。
この方のモデルは小松美羽さんで、実際の絵がそのまま漫画の中に起用されています。
強力なプロデューサーがいることも合致しています。
小松さんは2018年に三越のデパートで個展を開き、2日か間で作品が完売。
来場者数は約3万人、総売り上げは3億越えと、ここ最近では類を見ない結果を出しました。
過去に24時間テレビのTシャツのデザインをしたりもしていました。
プロデューサーの戦略から、大衆受けも狙ってブランディング・演出がかなりされているので、
大衆受けを嫌う藝大からは嫌煙されがちというのも漫画で描かれていますね。
とはいえ、美術の業界では、作家は元よりプロデューサーの力はかなり偉大です。
歴史に残った作家にも強力なプロデューサーやスポンサーがいるケースが多く、
いるからこそ作品の制作に専念できたとういうこともあります。
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