質感の描き分け方
今回はモチーフの質感を書き分けるポイントを解説していきます。
・ハイライトの形
・表面のテクスチャの有無
・素材特有の表情
・モチーフの端っこを丁寧に描く
・ハイライトの形
ハイライトを正確に描くことで微妙な質感を表現できます。
このハイライトの大きさで、光沢のあるものかマットな質感のものかが決まります。
※ハイライトとはモチーフに光が当たって直接反射している場所。白っぽく見える
金属やエナメル、ガラス類のようなツヤのあるものはハイライトが小さくはっきりとしています。
逆に、布やコピー用紙、木などのマットなものはハイライトが大きくぼやけています。
ハイライトの形はつるつる度が表現できます。
強いハイライトは消しゴムで作り、マットなハイライトは練り消しゴムで作りましょう。
・表面のテクスチャの有無
質感と聞いて一番に思い浮かべるのが表面のテクスチャです。
岩のようなごつごつ、紙のようなさらさら、布のようなふわふわなど。
これの表現はタッチで描き分けることが可能。
サラサラなものはなるべくタッチがみえないように描いたり、
ふわふわなものは練り消しを使って、少しムラができるようにたたいて白抜きしたり、
ごつごつなものは尖らせた鉛筆で細かいタッチを重ねたりなど。
画材と道具の使い方次第で自由に描くことができます。
・素材特有の表情
モチーフの特有の表情を丁寧に描くことでも質感を表現できます。
いわゆる描きどころです。
基本的にモチーフの特徴がよく表れていたり、密度が高いところになります。
描きどころの部分に実際にまるで囲ってみました。
果物や野菜の場合は多くがヘタになります。
また、瓶も口と底にガラス特有の反射や映り込みが複雑に出やすいので描きどころです。
布や段ボールなど、薄いものの場合はその厚みが分かる部分(端の部分)が描きどころ。
写真を撮るときに、どこにピントを合わせたいかが描きどころの部分になります。
また、複数ある場合は目立たせ方の順位付けをすることも大切。
描きどころはすべて頑張って描くというよりも、絵全体の中で1~3か所に絞るとメリハリが効いて良い絵になります。
描くための画材とその使い方を増やす
モチーフの質感の描き分けは描くための画材と使い方を増やすことが大切です。
鉛筆デッサンの場合は使う画材は少ないですが、描き方のバリエーションの幅を工夫することで様々な表現ができます。
・鉛筆の硬度を使い分ける
→乾いた部分は硬めの鉛筆を使ってみたり、強い黒を入れたいときは4Bを使ってみたりなど
・布やティッシュ、ガーゼでこする
→しっとりとした表現をしたいときに。モチーフの陰の表現にも
・消しゴムや練り消しゴムで白くする
→金属やガラスのハイライトは消しゴムを。布やマットな質感のものは練り消しを
・鉛筆を立てたり寝かせたりして描く
→ぬいぐるみや布、動物は鉛筆を立てて毛の感じを表現してみる
・画用紙のざらざらを生かす
→鉛筆を寝かせて描くとざらざらした質感が現れる
ここまでいろんな表現ができます。
ここを試行錯誤するのはデッサンの楽しい部分なのでぜひいろいろと試してみてください!
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