木の仕上げと種類について解説!
今回は自分で木を彫ったり、家具を作るときに最後の工程となる木の仕上げ方について解説していきます。
木の仕上げ方はいくつか種類があり、少し複雑な部分もあるので今回はわかりやすくまとめました。
ぜひ参考にしてみてください!
木の仕上げの種類
主な木の仕上げの種類はこのようになります。
自然系
無垢
→塗装をしないそのままの方法。彫刻でよく使われる。堅木向け
砥の粉仕上げ
→きめの細かい土を塗ることで表面をなめれらかにする方法。桐箪笥や彫刻で使われる
オイル仕上げ
→自然由来のオイルを塗る方法。彫刻や食器に使われる
蜜蝋仕上げ
→蜜蝋とはミツバチの巣を精製したもの。天然のワックス。工芸や家具に使用。
塗装系
ステイン
→木に染みこむように着色される塗料。木の木目が際だつ。木の質感はかなり残る
ワックス
→ニスやウレタンより塗膜はかなり薄い塗装方法。
水性ニス(水性アクリルニス)
→臭いもなく塗りやすい塗料。塗膜は柔らかく、ニスの中では保護力は弱め。
油性ニス(油性ウレタンニス)
→水性ニスよりも強い塗膜を作る。屋外でも雨に当たらない場所なら耐えられる。
水性ウレタンニス
→塗りやすく、なおかつほどほどの強さの塗膜を作る。食器に使えるものもある。
ラッカー塗装
→手早く塗れる塗料。やや柔らかめの塗装。
自然由来のものか、化学塗料を使うかに分かれる
木の仕上げ方は自然由来のもか、化学塗料を使うかに分かれます。
自然由来のものは木の質感がそのまま残り、人体にも安全なものがほとんど。
手入れには手間がかかるものの、自分で手入れをするのは簡単。
デメリットとしては、総じて塗膜が弱いので、汚れや水分には弱い点が挙げられます。
一方で化学塗料を使う方法もあります。
これらは塗膜が強いものが多く、屋外でも耐えられる性能を持つものも多いです。
汚れにも強く、一度塗装すればかなり持ちます。
デメリットとして、木の本来の質感が変わってしまったり、塗装時は人体に有害なものも多いということが挙げられます。
無垢
仕上げ方のひとつにまず塗装も何もしない方法があります。
これは彫刻ではよく見られ、彫刻刀やノミ、紙やすりなどで表面を整えて完成させます。
無垢のままでは汚れや湿気に弱いので、比較的これらに強い堅木や色の濃い木でよく用いられます。
堅木の例としては、ウォールナットや黒檀、山桜などで、柔らかい木に比べて繊維が詰まっており、汚れや湿気を吸いにくい木材です。
砥の粉仕上げ
砥の粉仕上げとは、粘土のようなきめの細かい土の粉末を表面に塗って仕上げる方法です。
粒子が木の凹凸に入り込むことによって表面が自然でさらさらとした感じになります。
塗装ではないので、汚れに対しては無垢のままに近い状態で弱いです。
京都の桐ダンスでは伝統的にこの砥の粉仕上げが昔から使われてきました。
木工芸や彫刻でもたまに見かける仕上げ方です。
主に白木に使います。
オイル仕上げ
オイル仕上げとは植物由来のオイルを木にしみこませる方法です。
先にオイルをしみこませることで、後から汚れがしみこむ隙をなくします。
木の質感はそのまま残り、木は水で濡れたときのように色が濃くなります。
オイルによく使われるのは乾性油または半乾性油といって、自然に乾燥するものを主に使用。
具体的には、クルミ、亜麻仁油、こめ油などが用いられます。
天然のオイル仕上げは自然由来のものなので、手作りの木の食器にも使われます。
一番手軽な仕上げの方法です。
簡単にできるので、木彫りの仕上げには最適。
詳しいオイルの種類と選び方についてはこちら↓
蜜蝋仕上げ
蜜蝋とはミツバチの巣を精製したもので、食品に用いられることもあるほど環境や人に優しい素材です。
主に工芸の分野では昔から天然のワックスとして用いられてきました。
木の表面に塗りこむことで撥水効果があり、汚れや水気を防止します。
安全性の高さから、子どもがいる家庭に人気があります。
主に木造家屋の床や柱の手入れや、家具、子ども用の木のおもちゃなどに使います。
ステイン
ステインとは、木に染みこむように塗装される塗料です。
天然のオイルと使用感は近く、塗膜はほぼできません。
木の柔らかい部分に多く着色され、木目がかなり際立ちます。
木の質感はかなり残るので、手触りが良く、家具などに最適。
ステインを塗った後には蜜蝋などのワックスやウレタンニスを塗ることもできます。
ニスとは機能が大きく違うので注意
ワックス
ワックスはニスやウレタンより塗膜はかなり薄い塗装方法。
木の表面にのみ浸透し、薄い膜を形成することで汚れから木を守ります。
ワックスは塗るときの手間が少ないので、定期的なメンテナンスが簡単です。
主に家具や床に用いられます。
ステイン塗料を塗った後の仕上げにも使えます。
水性ニス(水性アクリルニス)
水性ニスは臭いもなく手軽に塗れるニスです。
小学校などで子どもが使うニスは大抵この水性ニス。
塗膜は強めなものの、柔らかく傷がつきやすいので、家具よりも工作で用いられることが多いです。
塗った後もべたついたような柔らかさがあるので、個人的にはあまり使わないですね。
油性ニス(油性ウレタンニス)
油性ニスは別名ウレタンニスとも呼ばれ、水性のニスよりも塗膜が硬く強いです。
そのため、屋外でも耐えられるほどの塗料で強力に汚れや水をはじきます。
重ね塗りをすることで塗膜がどんどん厚くなります。
主に家具や床に使用。
塗装時は臭いがきつく、換気が必要で、洗う際には専用の有機溶剤が必要。
塗装の手間がかかるので、個人で塗るには少しハードルが高め。
ウッドデッキや、犬小屋、看板など、屋外の木製品によく使われる印象です。
水性ウレタンニス
水性ウレタンニスは水性ニスと油性のウレタンニスのいいとこどりをしたような塗料です。
水性なので塗りやすく、においもそこまできつくありません。
なおかつ油性ウレタンのような塗膜の厚さも得られます。
主に屋内外の家具に使われます。
塗料としてはとても扱いやすく、個人で手軽に使うにはとてもオススメできます。
ラッカー塗装
ラッカー塗装表面に塗膜を形成し、乾燥もとても早いです。
塗料の性質上、ムラなくきれいに塗るのが簡単。
用途としては主に工作に用いられます。
スプレータイプはムラができにくく、仕上がりがとてもきれいなので、刷毛塗りに自信がないときはこちら。
スプレータイプが一般的ですが、刷毛で塗れるタイプもあります。
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