彫刻で使う粘土をまとめてみました!
今回は彫刻でよく使う粘土を一覧にしてまとめてみました。
・油土
→主にマケットや石膏取りの原型用。硬化せず、再利用可
・水粘土
→主にマケット用。時間経過で硬化する再利用可
・陶土
→焼いて固める粘土。
・石粉粘土
→時間経過で完全硬化。加工性が良い
・樹脂粘土
→耐久性に優れている
・油土
油土は油分を含んだ粘土のことで、主にマケット(試作)や型取りの原型として使われます。
油土の特徴は固まらないことで、繰り返し使える点でマケット用の粘土として優秀。
水粘土とどちらを使うかは迷いますが、細部を気にせずに大まかな形を作っていきたいときには油土のほうが向いています。
固まらないので、何日か経っても大きく形を変えたりなんてことができます。
また、油土は石膏取りの原型としてもよく使われます。
原型を油土で作ったのちに、石膏で型を取って金属や樹脂の彫刻を作ります。
よくある街中のブロンズ像も多くは油土の原型で作られていますよ。
車の原型でも実は油土が使われることがあります。
油土は石膏にくっつかないので、型取りの原型としてはかなり相性のいい粘土になっています。
油土は水分を含まないので、水粘土よりもかなりかびにくく、扱いが楽なのはうれしいポイント。
おすすめのメーカーはレオン油土で、これは3つの硬さで種類があります。
赤、黄色、紫の順で硬く、一般的には赤を使います。
ただ、夏場は暑さで粘土が柔らかくなってしまうので、その時は黄色にするのもあり。
粘土は硬いほど細かい造形がしやすくなるので、作りたい作品に合わせて適したものを使いましょう。
詳しくはこちら↓
油土の主な特徴
・主な用途 マケット、石膏型用の原型
・大きめの作品向け
・硬化しない
・価格は安い
・再利用可
・水粘土
水粘土は油土と同様にマケット(試作)づくりでよく使われる粘土。
こちらも繰り返し使える粘土になっています。
油土との違いは固まるかどうか。
水粘土は時間で固まるので、より細かい表現をこだわって作ることが可能。
例えば、立方体の角のエッジを出したいときや、滑らかな局面を造りたいときなど。
この点で油土か水粘土のどちらを使うかは分かれますね。
ただ、水粘土は一度固まると柔らかくするのが結構大変なのと、管理をしっかりしないとカビが生えるので注意しましょう。
長い期間使わないときは完全に乾燥させて保存した方がカビ対策にはいいです。
この手間が面倒なら油土を使いましょう。
水粘土の主な特徴
・主な用途 マケット
・小~大きめの作品向け
・乾燥で硬化
・価格は安い
・再利用可
・陶土
陶土は焼いて固める粘土全般のものです。
水粘土とほぼ性質は同じですが、焼いて固められるかどうか。
彫刻の世界では陶土で作られた素焼きの作品(釉薬がかけられておらず、そのまま焼き固めたもの)をテラコッタと呼びます。
土自体はネット通販や大きめのホームセンターでも購入が可能。
素焼きは自分の家では難しいですが、近くにクラフト系のシェア工房や陶芸教室のような場所であれば作れる機会があります。
ちなみに、自宅のオーブンでも焼けるオーブン陶土なんてものもあります。
サイズはかなり制限されるものの、テラコッタの雰囲気は楽しめるので、こちらを使うのもありですね。
陶土の主な特徴
・主な用途 作品制作
・小~中の作品向け
・窯で高温の焼成で硬化(オーブンでできるものもあり)
・価格は安い
・再利用可
・石粉粘土
石粉粘土は紙粘土に近いですが、より加工しやすい粘土です。
石膏の粉が混ぜられており、紙粘土のように一度硬化すると完全に固まります。
固まってからは彫刻刀や紙やすりで加工がしやすく、かなり扱いやすい粘土。
(紙粘土だと、加工した時にかなり毛羽立ちます)
塗装は下地のジェッソを塗ってからアクリル絵の具を塗るのが一般的。
この扱いやすさから、石粉粘土を使った作品は結構多いです。
購入は画材店でできます。
おすすめのメーカーはラドール。
石粉粘土の主な特徴
・主な用途 作品制作
・小~中サイズの作品向け
・乾燥で硬化
・価格は普通
・再利用不可
・樹脂粘土
樹脂粘土は樹脂を主成分とする粘土で、粘土によって硬化の条件は異なります。
硬化後の加工性はかなり悪く、一度硬化してから彫刻刀などでの削る加工はほぼできません。
ですが、樹脂粘土は耐久性に優れており、ほかの粘土では難しい薄く延ばした表現が簡単にできます。
例えば、フィギュア制作の服や髪の表現はこの樹脂粘土でないとできません。
樹脂粘土はいくつか種類があり、水分の減少で硬化する通常の樹脂粘土と、焼いて硬化するスカルピーなどがあります。
スカルピーは高いですが、かなり細密な表現ができるので、フィギュア制作でよく使われています。
樹脂粘土の主な特徴
・主な用途 作品制作
・小サイズの作品向け
・乾燥または焼成で硬化(商品による)
・価格は高い
・再利用不可
粘土を詳しく知る
粘土に関する記事はこちらでまとめています↓
具体的なメーカーから、困った時のことまで書いているので、上達したい人は必見。
ぜひ参考にしてみてください。
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