ワニスとは?
今回はワニスについて簡単に解説していきます。
油絵には人によってはほぼ必須な画材でもあるので、ぜひ一度使ってみて欲しいところ。
油絵のオイルや溶剤はたくさん種類がありますが、今回はその中の一つのワニスについて解説していきます。
ワニスの効果
ワニスは作品を保護する役目があります。
木工で言うところのニスに近い役割。
油絵は飾っていると埃がくっついたり、タバコのヤニやその他の汚れがつくことがあります。
それらから作品を保護する役割があるんですね。
ワニスは油絵の表面に膜状に硬化し、ほぼ完全に外気や湿気から絵を遮断させます。
絵の保存性を高めるアイテムです。
ワニスは塗り直すことが可能で、絵が汚れても表面のワニスだけ除去して、再度ワニスを塗ることで絵を長く保存できるようになります。
感覚的にはフローリングのワックスがけに近いかもしれません。
絵は額装することでも汚れから守れますが、額装しないで作品を飾りたい時にはワニスは塗っておきましょう。
特に販売する作品はその絵の保存性に関してアーティストは責任を持たなくてはなりません。
額装かワニスかのどちらかは必要かなと思います。
まと、保存性以外にも絵の光沢具合を調整する働きも。
ワニスにも光沢のあるもの、マットなものの種類があります。
油絵の具は光沢のあるものが多いので、マットな質感の絵にしたい時にはワニスは必須になってきます。
光沢があると絵のコントラストが強くなり、マットになると柔らかい高級感のある表情に変わります。
自分の絵の雰囲気に合わせて使い分けていきましょう。
ワニスの使い方
ワニスは作品が完全に乾いた後に使います。
これは手で触った時に固まっているかではなく、絵の具が内部まで完全に固まっているかどうか。
大体は絵が完成してから半年〜1年後と言われています。
厚塗りしている絵の場合ほど長くなりますね。
塗る時は大きめの平筆で満遍なく塗っていきます。
液ダレが起こらないように薄く広く塗っていきましょう。
木工用のニスなどを塗るような感覚で塗って大丈夫です。
また、もし刷毛跡が目立つようならスポンジ刷毛や霧吹きを使って塗ってみましょう。
おすすめのワニス
仕上げ用のワニスは各油絵のメーカーからは販売されていますが、一番のおすすめは松田のタブロー(合成樹脂)です。
タブローは原料の違いでいくつかあり、松田もダンマーと合成樹脂とで2種類あります。
ダンマーのほうが塗膜は強いですが合成樹脂のほうが黄変が少ないので、特にこだわりがなければ合成樹脂のほうがおすすめ。
特に白い画面の絵の場合はですね。
補足 絵の具が乾くのが待てないとき
ワニスは油絵具が完全に乾いてから塗りますが、
それには絵が完成してから半年~1年ほど待たなくてはいけません。
ですが、個展の直前だったりしてそんなに待てないよ!ってなるときもあります。
そんなときにはラピッドタブローを使うのがおすすめ。
これは絵の具が完全に乾く前でも使えるもので、接触乾燥後に使えます。
展示用の作品を描く場合、ほとんどは半年~1年なんて悠長に待てません。
なので、このラピッドタブローを使うことになります。
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