石粉粘土・紙粘土の着色~仕上げの方法
今回は石粉粘土や紙粘土の着色から仕上げの方法について簡単にまとめました。
頑張って作った作品をよりよく見せるためには仕上げも丁寧に行うことが大切。
いちおう美大の工芸科を卒業している僕が簡単にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
主な順序は下記の通りです。
・表面を整える
・下地を塗る
・着色する
・表面を保護する
・表面を整える
石粉粘土で形をつくった後は必要であれば表面を整えましょう。
整える手段はいくつかあります。
・表面の凸凹大まかに整える
大きく凸凹している場合には盛ったり削ったりして整える方法もあります。
最初にへこんでいる部分に柔らかめの石粉粘土を丁寧に盛り付けて滑らかにしていきます。
この後にけずってから盛り付けると2度手間になってしまうので最初にきちんとやっておきましょう。
全体的にうっすら盛り上げたいときはペーストタイプの石粉粘土を使うと便利。
凸部を削る主な道具はナイフや彫刻刀など。
石粉粘土は紙粘土と違って、乾燥後は刃物できれいに削れるメリットがあります。
なので、これらの道具を使って表面を整えてから、紙やすりを使うとより滑らかになります。
※削るときは粘土が完全に内部まで乾燥するのを待ちましょう。
・研磨する
まず一つ目の方法は紙やすりで研磨すること。
石粉粘土の場合、完全に硬化するのをしっかりと待ってから研磨します。
表面だけでなく、中までしっかりと乾くのを待つ必要があり、表面の乾燥後から4~5日は待った方が良いです。
乾きが中途半端だと研磨がきれいにできなくて逆に汚くなるので注意。
完全に乾燥していると、紙やすりの目にも詰まりにくくなります。
紙やすりは粗めのものがおすすめ。
大体#60~400の間を使うことになります。
それより大きく削りたい場合には鉄製のヤスリを使いましょう。
・下地を塗る
表面を着色する場合は下地を塗る必要があります。
石粉粘土はそれ自体が粉っぽいのと、水で表面が少し溶けてしまうので、それらを防ぐために下地材を塗るのは有効です。
最もポピュラーなのがジェッソ。
これは表面が少しマットなビニール質になり、真っ白かつ絵の具やペンなどの画材ののりが良くなります。
また、水気にも強くなるので、石粉粘土には必須かなと思います。
![こざかい](https://kozakaiart.com/wp-content/uploads/2021/03/IMG_3380.jpg)
石粉粘土は水分を吸うとカビが生える可能性があります。
なので、作品を長く残しておきたいときはジェッソは必須。
ジェッソを塗った後も紙やすりの研磨は可能です。
より滑らかな表面にしたい場合には#320~800ぐらいのものを使いましょう。
ジェッソを紙やすりにかける場合、ジェッソを厚めに塗っておく必要があります。
薄いとジェッソが剥げて逆に凸凹になってしまうので注意。
※注意
下地材を塗るときは粘土が完全に内部まで乾燥してから塗ることをおすすめします。
乾燥を防いでしまうため、そのまま仕上げのコーティングまでしてしまうと中に水分が溜まったままでカビなどの原因になります。
・着色する
下地のジェッソを塗ったら着色していきます。
ジェッソを下地とする場合の着色の方法は下記のようにいくつかあります。
・アクリル絵の具
・ペン(ポスカ、マッキーなど)
・スプレー
![こざかい](https://kozakaiart.com/wp-content/uploads/2021/03/IMG_3380.jpg)
他にもいくつか画材はありますが、これらがメジャーです。
・アクリル絵の具
アクリル絵の具は最も一般的な着色方法です。
他にも絵の具の種類がありますが、アクリル絵の具は速乾性なのと、耐水性な点で優秀。
水溶性なので水で薄めて使い、普通の絵の具の感じで使えます・
アクリル絵の具は透明色と不透明色の2種があり、不透明のものはガッシュと呼ばれ区別されています。
リアルな描写をしたい場合には透明色、逆にべた塗りしてポップな感じにしたい場合は不透明がおすすめ。
透明色のおすすめはリキテックス、不透明のおすすめはターナーです。
それぞれ色数も多く、画材店で手に入りやすいポピュラーな絵の具。
・ペン(ポスカ、マッキーなど)
ジェッソの上からペンで描くのも一つの方法です。
粘土に塗る場合はペン先がニブタイプになっているものを選びましょう(ニブとは、硬いスポンジ状のもの)
主なペンはポスカやマッキーなど。
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ポスカは不透明で色がはっきりとしているので、粘土の立体との相性がいい気がします。
・スプレー
全体的に均一に色を塗りたいときにはスプレーも有効です。
絵の具のように筆で塗ったようなムラもなく塗れるのが大きなメリット。
スプレーは画材用の水性スプレーがおすすめ。
有機溶剤を使っていないため臭いがなく、室内でも使える点とアクリル絵の具との相性もいい点で優秀です。
・表面を保護する
色を塗った後は、作品を長く保たせるために表面をコーティングしましょう。
コーティングをしていない場合、こすれたりするだけで妙にテカリが出たり、黒ずんだりします。
特に作品を販売するような時にはしっかりとこの辺はやっておきたいですね。
一番お手軽できれいなのがスプレータイプのバーニッシュです。
これはアクリル絵の具のメーカーが製造しているもので、アクリル系の画材との相性がいいのでこれがおすすめ
筆で塗る液タイプのものとスプレータイプの2種類がありますが、
立体作品の場合は液状のものを筆で塗ると塗りムラや液だれができやすいので、僕はスプレータイプを推しています。
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