ムサビ卒業生の語る挫折と成功の美大受験体験談(1浪しました!)

美大受験
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今日は私の美大受験の体験談についていろいろ話していこうかなと思います。

これから美大を受験する皆さん!その子供をもつ親御さん、、

に向けて体験談書きます。

美大卒の方も「懐かしいなー」という感じで見ていってください。

予備校に行くまでのプロローグ

小学生の頃は図工が好きでかなりシャイな感じでした。

ジャガイモの芽って一個にいくつかついてるけど、それぞれ切り分けるとそれぞれから芽が出てくるのかについて考えたりとか

筆箱の中にだんごむしを入れて飼ったりとか

そんな感じで

それが中学生になり

中学三年生の春に進路を考える時期になった時、

ふと

魔が差しました。

ほんとに「ふっ」

おそらく人生で一番のターニングポイントです。

みんな頑張って高校受験してめちゃくちゃ勉強してるけど、

何で俺も勉強しなくてはいけないのか!って感じたわけです。

もっと楽しいことがしたい!

それでパソコンでいろんな高校を探しました。

「高校 美術 やりたい」

こんな感じで検索しまくりました。

そしたらなんとあったのが工芸高校です。

もうめっちゃぴったりじゃんみたいな

ちょうどその時興味があったのがロボットを作ることだったんですね。

で、その工芸高校には金属工芸科(アートクラフト科)があったので、すごいちょうどいいじゃんって思い、願書を提出。

無事に入学したのち、

ロボットと全然関係なかったと後で気が付きます。ショック!

でなんだかんだ楽しい3年間を過ごしながら

大学受験があと一年に迫ってきました。

当然、頭がアヒージョのごとく美術に浸かり切った私は美大めざします。

理由は勉強しなくて良さそうだから!って思ってました。

が、

これがのちに後悔の原因となったのは言うまでもありませんでした。

予備校はお金がなかったため、高校からもすぐ近くの小さな予備校に行きました。

予備校編

通い始めた高3の春

デッサンには自信があった!

「中学でも美術の授業にデッサンがあったし、」

「毎学期、宿題にデッサンがあって描いてたし、」

「なんなら学年で一番上手いぐらいだし、」

余裕かな~

なんて思ってました。初めは。

まぁ2枚目ぐらいの講評の時に挫折しましたね。

完全に鼻っぱしを折られました。

一枚目はまだ良かったんです。

最初の形どりは、 消しゴムでほぼ全消しで直されましたが(笑)

二枚目に石膏像を描いたのですが、

それがあのアグリッパなんです。

アグリッパって描いたことがある方は分かると思いますが、

顔があんまりかっこ良くないんです。

しいてゆうならブルドック顔

それにあのとらえどころのないぬるぬるの髪の毛といい、

めちゃ描きづらい!

それで講評の時に浪人してる受験生の横に並べてみてくださいよ

私のは「えっ!誰!」「そっくりさん?」

そっくりさん度合いで言うと、美川憲一とコロッケの美川憲一ぐらいの違いです。

それでかなり調子に乗らなくなりましたね~

1mぐらい伸びていた鼻が5mmぐらいになりました。

根元からぽっきりです。

その時から本格的にデッサンを真面目に勉強し始めます。

予備校の挫折ランキング一位はやっぱり、、

毎日毎日、高校校で寝ては予備校に行き、寝ては予備校に行きそんな毎日でした。

飲み物は決まって紙パックのコーヒーカフェオレ

甘さが疲れた目と腕に効きます。

苦労話というとやっぱりあれですね。

「石膏像の顔が似ない」ということです。ほんとに

これは受験生の多くが直面する切実な問題です。

デッサンの「挫折しそうな瞬間ランキング」に殿堂入りするぐらい。

描いたことがある方は分かると思いますが、

描けば描くほど似ないんですよね。(笑)

ほんとにコロッケさんレベルのそっくりさんになる。

たまーに上手くいくと長州小力ぐらいには近づけます!。

描き初めに似てないとどんどんドツボにはまります。

描いても似ないし描かないと進まないというジレンマにはまると撃沈。

講評会が法廷へと変わります。


「これを描いたのは君かね」と講師の被告人質問に対し、

「私がやりました。。」と言うしかありません。

静まり返る聴衆。

無慈悲な裁判官。

誰も弁護はしてくれない。

ほんとに顔が似ないのは罪深いことなのです。

悪いことしてないのに悪いことして怒られるのです。

こちらとしては冤罪だと叫ぶか、おとなしく罪を認めるかの二択を迫られますが、

残念ながら今のところ逆転無罪は過去の歴史には記録がありません。


あと、ランキングで言うと2位ぐらいに来るのが、

講師が何言ってるかちょっと分からないということです。

絵のアドバイスってすっごく抽象的なんです。

「ここをもっとすっきりさせて」

「ここもっとどうにかならない?」

「なんか変」

「なんかね~」

「似てない。」

「雑。」

「変。」

この辺のワードがほんっっとうに多いです。

どうすればいいんですか?

と聞いても

なかなか答えが出ないまま講評が終わることも多々あります。

そして、どうすればいいんだぁと心の中で叫びつつ

絶望に打ちひしがれます。

普通のテストって勉強しただけ点が上がるのでまだいいじゃないですか。

ダメなところも分かり、どうすればいいかなんてのも分かります。

勉強すれば点が上がる。

すごくシンプルです。

ですが、絵の場合はそうもいかない。

絵を描けば上手くいくなんてのはほんと最初のうちだけ

一年も描き続けるとマンネリ化という浪人で人生最大の壁が富士山のごとく立ちはだかります。

マンネリ化すると絵にいやらしさが出てくるのです。

いわゆる、絵はうまいんだけど、、、

というやつです。

なんか機械が描いているみたいと表現されます。

後は顔がどんどん似なくなってきたりとか。

これにはまった浪人生は3浪、4浪としていき、予備校の主になることがよくあります。

若い高校生に最初は先輩顔しつつも、だんだんと上達していくきらきらとした高校生たちがまぶしく見えて、なかなか大学に合格しない自分に負い目を感じていきます。

しまいには、そのまま受験自体をやめてしまうひともいるんです。

それぐらいつらいのが「マンネリ化」

そのマンネリ化を乗り切ると、スーパーサイヤ人のごとくスーパー予備校生になります。

そうなると髪が逆立ち、黄色いオーラのようなものが見え始め、(笑)

戦闘力がどんど上がっていく、、

戦闘力53万だと、、

という感じになります。

ちなみに予備校には入試直前3週間前に習いに来るような人もときどきいて、

その子が大学に落ちると「ヤムチャしやがって、、」

と感じています。無謀ですのでやめましょう。

受験の挫折

私も最初は多摩美術大学、武蔵野美術大学、そして東京藝術大学を高校生の時に受験しました。

藝大が本命だったのですが、2次試験で落ちました。

多摩美は合格。

ムサビは落ちました

ほんっとうにショックでした。

何がショックかって親に申し訳ない気持ちでしたね。

予備校代もお金がかかるし。

藝大の合格発表の日には夢であってほしいとずっと思っていました。

一年に一回の試験って落ちるとまた一年という重みをひしひしと感じます。

そして晴れて一浪デビューを果たします。

そこに待ち受けているのは

浪人生というレッテルのうしろめたさです。

美術館に行くときに学生ですか?一般ですか?って聞かれるじゃないですか

「(まだ)一般です。」と言うときの悔しさは他にありません。

あるいみ学生と(これから)学生の間に挟まれてるのに何で一般でお金を払わなきゃいけないんだ

一番お金のない浪人生には厳しい世の中です。

学生、一般の他に「これから学生」というのを追加してほしいです。

一般でお金を払うたびに「絶対合格してやる!」と思っていました。

二度目の受験

そんなこんなで

二度目の大学受験の日やってきました。

懐かしい一年を振り返りながら

入試に臨みました

思い返せばなんだかんだで楽しい浪人生活でした。

高校の同窓会に行ったときは浪人してるっていうのが恥ずかしかったりとか

予備校の先生もなんだかんだで優しかったりとか(なぜか俺にはみんな厳しいい)

予備校時代に描いた富嶽三十六景のオマージュの絵が売れたりとか

なんだかんだで自分の経験にもなって充実した一年間でした。

そして受験の結果、、、、

藝大に落ちました。(笑)

そしてムサビはなんと補欠(笑)

しかも結構後ろのほう

寝込みました。

多摩美は受かってはいて、ムサビも補欠が回ってきてはいたのですが、

補欠で行くべきかめちゃくちゃ悩みました。

気持ちとしてはムサビですが、補欠になるってことは自分にはここは向いてないんじゃないかと感じていました。

それでもムサビに行くことに決め、

結果的に卒業制作で優秀賞をとるまでにはなりました。

エピローグ

結果としていま思うとなんだかんだであの受験の2年間は人生においてとても大切な二年間だったと思います。(もう二度と体験したくないですが笑)

一番必死でした。

朝から晩まで絵について考え、自分に負けないというメンタルは養われたかなと思っています。

おわり

こちらへ続く

コメント

  1. ちー より:

    ずっと受験生、浪人生の生活に興味がありました。でも、読んでて笑ってしまったのは文才だと思います❗️

  2. 美大体験記。大学生活一年目 | アートと日常 より:

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  5. ムサタマ死亡 より:

    ムサタマ受験生です
    自分は実技試験に重きを置いていて学科試験対策はあまりしていませんでした
    過去問をやっと開いたところ….国語の語彙や英語の英作文などで急にこれは受からないんじゃないかと心配になってきています…..
    良くないことですが毎日ストロン◯ゼロみたいなお酒を飲まないと恐怖感に支配されて眠れません…..
    学科試験対策は何をやっていましたか?またセンター試験は何割取れてましたか?
    質問が多くなってしまいますが多摩美の小論文 武蔵美の語彙は何をしていましたか?

    • こんばんは!返信が遅れました!
      その気持ち分かります(笑)
      僕もリポビタンDをいつも飲んでましたよ!

      学科はセンター試験で6割ぐらいだった気がします(笑)

      学科の勉強はほぼしていなかったのでアドバイスできません、(;^_^

      良ければTwitterのほうでコメントくれると相談できますよ!

      あまり勧めませんが、最悪入りやすい学科に入って転科をすることもできます。

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