美大合格の道のりについて解説していきます。
今回は美大受験に向けて、大学の選び方から勉強法まで一通り段階を踏んで紹介していきます。
少しでも良い大学に合格できるように、僕自身の体験を踏まえたコツを書いているので、ぜひ参考にしてください、、!
学科を決める
まず美大を受験するときに1番最初に決めるのが学科です。
これは美大受験には実技試験があり、学科ごとに内容が大きく変わるため。
デザイン科であれば、平面構成や立体、絵画系であれば着彩、彫刻科であれば彫塑というようにそれぞれの学科に合った試験があります。
なので、受験をするときにはまず学科を決める必要があります。
一般大学を受験する場合はこの特色は少ないので、気にしなくていいですが
美大受験に関しては最初に学科を決めることが受験の効率を上げる点で重要。
ちなみに大学によっても設けられている学科は異なります。
なので、どの大学に行きたいかよりもどの学科に行きたいかを最初に決めた方がいいですね。
いきたい学科が決まれば、どの大学を受けるかも必然的に決まってきます。
また、美術予備校も、希望する学科ごとに、デザインコース、日本画コースという感じで分かれています。
将来の就職先にも影響してくるのでよく考えて決めましょう。
大学
大学の選び方ですが、有名どころの大学をいくつか紹介します。
全国の美大は意外と数が多く、美術専門のところもあれば、一般大学の中の学科の一つのところもあります。
全国の美大一覧はこちらで解説しています↓
五藝大と五美大
美大で有名なところだと五藝大と五美大があります。
五藝大は全国の国公立美大の有名どころ5校で、五美大は東京周辺の有名私立美大五校を指します。
それぞれのグループ間での交流もあり、共同で展示する企画が行われたりしています。
五藝大
・京都市立芸術大学
・金沢美術工芸大学
・愛知県立芸術大学
・沖縄県立芸術大学
五美大
・多摩美術大学
・武蔵野美術大学
・女子美術大学
・東京造形大学
・日本大学藝術学部
・東京藝術大学
→美大といえば東京藝大というほどもっとも有名でもっとも難しい美大です。
多くの人がここを目指して受験します。
東京大学に入るよりも難しいとされ、浪人は当たり前の世界。
伝統的な技法から現代アートの考え方までアカデミックに学ぶことができます。
生徒数に対しての講師の割合も多いので、かなり恵まれた環境ですね。
ほかの五藝大はこちら↓
・京都市立芸術大学
・金沢美術工芸大学
・愛知県立芸術大学
・沖縄県立芸術大学
五藝大の美大はどれも藝大と略されてしまうので、藝大と聞くとどの美大?!って毎回なり、聞き直すのが面倒だったりします(笑)
多摩美術大学
→通称タマビ
私立の美大の中では武蔵野美術大学と並んでもっとも人気のある大学です。
特にテキスタイル、プロダクトが人気。
多摩美は全体的におしゃれな感じの作品が多いイメージですね。
割と現代的な感覚の作品が多め。
武蔵野美術大学
→通称 武蔵美。
多摩美と並んで人気のある私立の美大。
多摩美よりもアカデミックな授業が多いですね。(どの学科でも、ほかの学科の実技を一通り体験する必修が多くあります。)
教職にも割と力が入っています。
その他の五美大↓
・女子美術大学
・東京造形大学
・日本大学藝術学部
美大の選び方
美大の選び方ですが、自分の受けたい専攻のある大学の中でなるべく上位の大学を目指します。
5芸大やタマビ、ムサビがおすすめ。
また、大学によっても施設や教授によって作風が異なるので、自分の好きな作風のところで決めるのもいいですね。
特に卒業制作でその特徴が出やすいので、各大学の卒業制作集を本やHPから見て決めましょう!
詳しい選び方についてはこちら↓
一般or推薦
私立の美大は一般と推薦の両方がありますが、個人的には一般入試をおすすめします。
推薦入試で入ると入学後に結構苦労することが多いため。
推薦入試と一般入試の人ではデッサン力や色彩感覚など、基礎で大きな差がついています。
なので、大学での作品に影響してきますし、後々の就活にも響いてきます。
クリエイティブな業界ではある程度の基礎がないと入れないような会社も多く存在するので、選択肢の幅を広く持つためにも一般入試がおすすめ。
推薦入試をする場合、自分自身がよほど強みを持っている場合はいいと思います。
また、もし推薦入試で合格しても、予備校などで基礎を身に着けておきましょう。
予備校の選び方
美術予備校は東京の都心であれば選択肢の自由が多く、新宿美術学院、水道端美術学院、御茶ノ水美術学院などがあります。
選び方としては、家からの近さと、講師の相性が大切。
現役生で高校が終わってから通う場合、時間が常にいっぱいいっぱいになります。
なので、学校や家からできる限り近いところがおすすめ。
講師は予備校に勤めている専任の人と、現役美大生のアルバイトの講師とがいます。
専任の人がクラスを受け持つのですが、この講師との相性が大切になります。
実際に行ってみないとわからない部分なので、体験入学や、春季・冬季講習などに参加して相談してみるのはありですね。
予備校に通う時期
予備校に通い始める時期は高校2年生の冬期講習(年末ぐらい)や3年生の春季講習(4月ごろ)、ゴールデンウィークぐらいから始める人が多いです。
通うのはなるべく早い方がいいかなと個人的に思いますが、最低1年あればいいと思います。
たまに夏に入る人(試験日まで半年)にいますが、それはやめておいた方がいいですね。
すでに周りの人がうまくなっているので、焦りや劣等感が半端ないです。
美術予備校の選び方
美術予備校は美大受験では通うのはほぼ必須となります。
予備校に通っていない人はほぼいないので、必ず行ったほうがいいです。
時期的には高校2年生の終わりの冬季講習や春季講習から通い始めます。
その時に、周りの人の作品や合格の絵を見たりして、自分がいまどのぐらいのレベルなのかを実感しましょう。
東京以外に住んでいるとそもそも美術予備校自体が少ないですね。
田舎にはまずないので、それだけで受験の難易度が飛躍的に上がります。
家の近くにある人はそれだけでも恵まれていると思います。
各種実技のポイントと画材の選び方
ここからは実技について軽く触れておきます。
それぞれおすすめの画材やコツを解説していくのでぜひ参考にしてみてください。
詳しい内容のわかる記事も一緒にリンクを張っておきました。
僕自身の経験をもとに書くので、参考になる部分は多いかと思います、、!
・デッサン
デッサンは大体の学科の実技試験にあり、ほぼ必須で学びます。
えんびと練り消しゴムで描き、基礎的な観察力を試されます。
主に見られるのは、
・形の正確さ(形体感)
・量感
・空間
・質感
・光
・構成力
・個性、資質(油絵科の場合)
など。
デッサンは受験する学科によってモチーフの傾向は変わります。
静物画なのか、石膏像なのか、想定なのか、モチーフの幅は広いです。
そのため、秋ぐらいまではいろんな課題をこなし、受験する大学が決まったら秋ごろからその大学の傾向に合わせた練習をしましょう。
・着彩
着彩は日本画、油絵科、工芸科の2次試験で行うことが多いです。
基礎的な表現に加えて作品の絵肌や雰囲気など、絵画としての表現の美しさも求められます。
(日本画、工芸は描写力、油絵科は表現力を求められることが多いです。)
課題の内容も想定から静物画、人体など幅広く、使う画材の指定も大学によって異なったりします。
そのため、自分の受けたい大学の傾向をしっかりと把握することが大切。
過去10年分ぐらいの課題と合格作品は把握しておきたいですね。
・平面構成
平面構成はデザイン、工芸科に多く設けられている時間です。
主にアクリル絵の具を使ってベタ塗りで表現します。(東京藝大は透明色も使った描写系です)
主に見られるのはこの3つ。
・構成力
・色彩
・アイデア
・立体構成
立体構成はデザイン科や工芸、空間、建築などの学科に多い試験です。
主に紙や粘土を使って構成して制作します。
彫刻と違うのは、こちらはデザイン性を求められているということ。
課題からより良いアイディアを表現し、それを美しくかつテーマが分かるように構成する能力がとわれます。
おすすめの本などはこちらで紹介しているので参考にしてみてください↓
立体構成を試験に設けているところは年々減ってきていますが、大切な課題だと思います。
試験がデッサンや平面だけの人も、立体をやってみると新しい発見があるかもしれません。
独学・自習のやり方
予備校に通う前や、休日にできる独学の練習方法についても紹介していきます。
おすすめはクロッキーと模写、、!
地味ですけど確実に上手くなるのでおすすめです。
美大の受験ってみんな大体1年ぐらいの期間で行うので、自習すればその分周りと差をつけられます。
自習する人自体少ないので、こっそりと行っておきましょう。
この積み重ねが合格するかどうかを決めます。
おすすめの本
美大受験に役立つ本はこちら↓
実際に僕が読んでいた本なのでおすすめできます、、!
受験が終わってもずっと使えるレベルの本ばかりなので、買って損はありません。
絵の上達は描くだけでなく、学ぶ時間も大切。
電車の中や、寝る前などに読んでおきましょう。
浪人について
東京藝術大学や、多摩美、武蔵美を目指すと多くの場合は浪人することになります。
浪人はお金と時間を浪費しているように見えますが、一概に悪いとは言えません。
それは受験期がもっとも絵の上達が伸びる時期だからです。
絵の基礎訓練は受験期がもっとも行われ、美大に入ってしまうと逆にこれは行われなくなります。
美大では基礎を行う時間はなく、表現に時間を割いているので、絵の基礎を延ばすには受験の期間が一番伸びます。
また、現役生の頃はひたすら受験に向けて必死なのに対して、浪人生は自分の作品についても色々考えることができる余裕が生まれます。
自分はどんな作品を作っていきたいのか、どんな仕事をしたいのかが明確になります。
この差は結構大きく、現役生で入学すると、自分のやりたい方がはっきりしないままあっという間に大学を終えてしまうこともあります。
なので1、2浪ぐらいならあまり悲観せずにポジティブに捉えておいたほうがいいですね。
東京藝大やタマビ、ムサビあたりだと浪人は普通ですね。
浪人はお金がかかるのが辛いですが、悪いことばかりでもないです。
僕は1浪しましたが、浪人したからこそ、自分の将来についてよく考えられたり、美大での課題は評価の高い作品を多く作ることができました。
制作が辛いとき
好きなことをやっているから楽しいたら思われがちな美大受験ですが、
実際は好きだからこそつらいことも沢山あります。
僕の予備校時代の周りの人も何人かフェードアウトした人がいました。
病まないために必要な記事を紹介するので参考にしてみてください。
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