こんにちは小堺です。
今回はなぜデッサンをするのかについて話します。
美術大学に入学するのに必要な試験でほぼ必須なのがデッサンです。
デッサンってなに?という方は参考の画像をあげるので見てください。
例えばこんな感じです。
石膏像「モリエール」
静物画 パイナップル、ホース、ティシュ、中華鍋
これらは主に鉛筆、木炭で描きます。
受験生はほぼ毎日このデッサンをひたすら描くわけです。
私も試験前は長い時で一日14時間ほど描いてました!いつ寝るの?って感じです(笑)
なぜデッサンをするのか
そもそも何でデッサンをやるのかという話になるのですが、
デッサンって絵がうまいかどうかを見るためでしょ?と思われる方も多いと思いますが、実は厳密には違います。
なぜデッサンをするのか、、、!
デッサンは「観察力」を鍛えるものなのです。
観察力とは?
以前どこかのテレビ番組で一般の人と、美大生の違いみたいなものを取り上げていまして、
そこでは、その二人に「キリンの特徴を出来る限り答えてください。」と質問していました。
普通の人は黄色いとか、足が長いとかの5,6個だったのに対して、美大生ははるかに超える20個以上!あげていたのを覚えています。
つまり、美大生は一般の人に比べ、物の特徴をとらえる「観察力」が優れているということなんです。
おそらく、同じものを見ていても同じように見えていない。そのぐらいの違いが両者にあるわけで、その観察力を鍛えるのが、デッサンなんですね。
たとえば、目の前にリンゴがあるとします。
これを絵にかいたあと、そのリンゴを他のいろいろなリンゴがいっぱいに詰まったトラックの中に紛れ込ませても、絵に描いたのはこのリンゴだと見つけ出せなくてはなりません。
そのぐらいの観察力で描きます。
特徴をとらえるポイントとして、例えば
・リンゴは何色か、赤ければどこがどのぐらい赤いのか。
・味はどのぐらい甘いのか、どのぐらい酸っぱいのか、
・重さはどのぐらいか
・どのようなかたちか
・どのぐらいの鮮度なのかみずみずしさ、はりがあるのか。
などなどあげるときりがないですが、
これらの質問に対してものすごく厳密に、正確に答えることが出来なくてはなりません。
リンゴのただ”赤い”とか、”丸い”などの先入観のイメージから、”そのりんごは上部が鮮やかな赤に対して、一部はややくすみ、下部はやや黄色味を帯びた赤”で、”かたちは上から見るとやや五角形をした角があり、歪みが少しある”などどんどん厳密な観察に元づいた物にする。それがデッサンです。
デッサンを初めて描く方はイメージとしてのリンゴを描きがちですが、それがだんだんと観察力の訓練を重ねることによって、目の前にあるそのものを描いているということに切り替わっていく。ここがポイントですね。
なので少なくとも受験のデッサンでは、基本的にはその観察力があるかどうかを見るためのテストなんです。
加えて作品に味や情感があるとか、感性についてのことがあります。
デッサンもピンタレストなどで検索するとかなり多くの写真が出回っているので、ぜひみてみてください!
追記 大学卒業後、デッサンが生きたことはあるの?
僕は大学を卒業してからもう何年か経ちましたが、予備校のころにデッサンを頑張っていてよかったと思えた場面は何度かあります。
例えば、美大の在学中では、デッサンの実力がそのまま自分の自信につながりました。
この自信は卒業後もずっと続きますよ。
また、制作という面では、デッサンの実力があれば具象画が描けるので、表現の幅は広くなります。
絵の表現は具象か抽象の2つに大きく分けられるので、具象が描けないと表現の半分を失ってしまいます。
なので、将来作家になりたい人はやはりデッサンはほぼ必須。
追記 受験期のデッサンは1年の頑張りで1生分の価値がある
受験期のデッサンの頑張りは1生価値を感じられるので、かなりコスパがいいと思っています。
絵の基礎なんて受験期ぐらいしかやらなくなり、美大に行くと基礎は時間がなくてやっていられません。
なので、デッサンは大変ですが、頑張りたいところですね。
デッサンの上達法はこちら
最後にデッサンを上達させるための記事を紹介していきます。
画材の選び方から、上達のコツまで解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
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