今回は木彫りや木製品の仕上げ用のオイルについて解説していきます。
木のオイル仕上げ(オイルフィニッシュ)とは?
木製品には、表面の仕上げのやり方にいくつか種類があります。
・ワックスがけ
・オイルフィニッシュ
・ウレタン塗装
これらの種類がありますが、今回は植物由来のオイルで仕上げる方法について紹介していきます。
植物由来のオイルで仕上げるメリット
植物由来のオイルで仕上げるメリットは木の自然な手触りが残り、人の健康や環境にも優しいこと。
木製のスプーンやパンのお皿、家具などによく使われています。
定期的なメンテナンスが必要ですが、使ううちに手に馴染んできます。
オイルの種類と選び方
木製品に使うオイル仕上げのオイルは適した種類があります。
ポイントは空気に触れて乾くかどうか。
その選び方についてこれから紹介します。
乾性と不乾性油の違い
油は主に3つの種類があります。
・乾性油
・半乾性油
・不乾性油
空気に触れたときに乾くか乾かないかの違いで分かれています。
オイル仕上げでよく使われるのが、主に乾性油です。
乾性油
乾性油は空気にさらすと完全に固まる油のこと。
亜麻仁(アマニ)油・桐油・芥子油・紫蘇油・胡桃油・荏油・紅花油・向日葵(ひまわり)油など。
木のオイル仕上げではこの乾油がよく使われています。
工芸の世界では、亜麻仁(アマニ)油と胡桃油が好まれて使われています。
スーパーで手に入りやすいのは亜麻仁油と向日葵油なので、これを使ってみてもよいですね。
ひとによってはクルミを自分で砕いて塗る人もいます。
半乾性油
半乾性油とは、空気で少しかたまるものの、完全には固まらない油。
こめ油・コーン油・綿実油・胡麻油・大豆油など。
半乾性油はあまりオイル仕上げで使われない油ですが、こめ油は使われることもあります。
こめ油はスーパーで販売しているものや、オイル仕上げ専用の”きぬか”という商品があります。
下の「きぬか」という商品がよく使われています。
不乾性油
不乾性油とは、空気中で固まらない油のこと。
ヨウ素価は100以下。オリーブ油・扁桃油・落花生油・椰子油・椿油・菜種油など。
オイル仕上げではあまり使わない油です。
ですが、木のひび割れ防止として椿油は木の手入れで使われることがあります。
不乾性油は固まらないので、オイル仕上げには向きませんが、
水分の保湿に役立ちます。
椿油はスキンケア商品でもよく使われていますよね。
オイル仕上げにオススメな油は?
オイル仕上げにオススメな油は3つ。
・クルミ油
・亜麻仁(アマニ)油
・こめ油
この3つは工芸の世界ではよく使われる油で、食用の植物から採取されているため安全性も高く、
木の食器にも使える油です。
入手も比較的簡単なのでオススメしています。
クルミ油
クルミ油はクルミの身から採れたオイル。
砕いて引いたものがオイルになっています。
色は無色に近い色。
木の食器の仕上げとしてよく使われているのを目にします。
スーパーでは少し手に入りにくいので、ネットでの購入がおすすめ。
下のものは90mlで800円ほどで購入できます。
亜麻仁(アマニ)油
亜麻仁油も木工の世界ではよく使われているオイルです。
乾性油なので、塗った後はさらさらに乾きます。
スーパーでも売っているのをよく目にします。
こちらは100mlで1300円ほど。
こめ油
こめ油とは、米のヌカから採った油のこと。
こちらもスーパーで手に入りやすいオイルです。
僕の周りでは、赤ちゃんのいる家庭でこめ油を使っている人が多いですね。
よく木のおもちゃの手入れで使っています。
もちろんお米の油なので、食器にも安心して使えます。
こめ油は「きぬか」という商品が一番メジャー。
一部のホームセンターやネットでも販売しています。
160mlで1700円ほど。家具用の大容量タイプもあります。
オイル仕上げ(オイルフィニッシュ)のやり方
最後にオイル仕上げのやり方を紹介します。
方法は薄い布にオイルを少しつけて、木目に沿って刷り込むだけです。
全体に塗り、塗り残しのムラができていなければOK。
その後、2~3かいほど重ねて完成です。
余分な油は乾いた布でふき取っておきましょう。
乾性油の場合、約1日ほどで木に吸われて乾きます。
最後に 定期的なメンテナンスも忘れずにしましょう!
天然のオイル仕上げの場合、定期的にオイルを塗ってあげることが大切です。
長く手入れするとどんどん磨かれていくので、より人の手になじんでいきます。
オイル仕上げはものを大切にする仕上げ方ですね。
ぜひ検討してみてください!
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