工芸学科ってどんな学科?
今回のテーマは工芸科についてです。
実際、僕はムサビの工芸の金工専攻に在籍していました。
その経験をもとに、美大の工芸についてザックリ解説しています。
これから受験を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
工芸科の専攻について
工芸科は扱う素材によって大きく下記の通りに分かれます。
・金工
・木工
・漆
・陶
・ガラス
・染織(テキスタイル)
美大によって含まれる専攻は異なり、染織は別の学科で独立している場合もあります。
漆のある所は珍しく、東京藝術大学や、金沢美術工芸大学などの一部にしかありません。
工芸科を受験するときにすでに行きたい専攻が決まっている場合はよく確認しておきましょう。
![こざかい](https://kozakaiart.com/wp-content/uploads/2021/03/IMG_3380.jpg)
金工、木工、陶は大抵の大学にありますが、ほかはまちまちですね。
・金工
金工は彫金、鋳造、鍛金の3種類に大きく分かれます。
彫金は広い意味ではジュエリーや小物を制作するときに使われ、
鋳金は金属を石膏などの型に流して成型する鋳物、
鍛金は金属の板から形をたたいて作り出す方法です。
鋳金は専用の設備が必要なので行う大学は比較的珍しく、大抵は彫金と鍛金で構成されます。
彫金の中に七宝もあるので、金工でありながらガラスも扱えます。
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僕は金工専攻を取っていました。
就職は主にジュエリー会社のデザインや製造に進む人が多いです。
現状、金工を生かせる職種で需要があるのがジュエリー系なんですよね。
・木工、漆
木工は主に指物や家具を製作します。
カンナやノミで木を加工したり、大型の木工の機械で木を製材したりします。
美大によっては木工の中で漆を扱う場合もありますね。
漆は木をベースにするので、木の加工もできないと漆も扱えないため。
主な就職先は家具メーカーや建築(内装)メーカーが多いです。
家具の素材や形状についての理解が深くなるのでコーディネーターになれます。
・陶
陶芸は技法は手びねり、ろくろ、型どりなどの方法で分かれ、
美大では手びねりを中心に技法を学べます。
自分で土を練る(菊練り)から始め、自分で釉薬を調合したりできます。
就職先は食器メーカーや工房が多いです。
・ガラス
ガラスは吹きガラスやパートドヴェール(鋳造)などを学べます。
ガラスは自分で家で行うには加工が大変なので、美大で学べるのはいい経験になります。
工芸の素材の中では比較的新しい素材で、人気がありますね。
就職先は工房に勤める人が多め。
・染織(テキスタイル)
テキスタイルは織り、染め、刺繍などを行います。
伝統的な着物のようなものから、オブジェまで制作します。
テキスタイルの就職先はアパレルが多いですが、自動車の内装のように繊維を使う会社全般に就職が可能。
テキスタイルの作家は工芸科の中では少数で、伝統的なものでない限り日本よりも海外のほうが盛んです。
主な就職先
工芸科の就職先はそれぞれの素材に合った就職先の企業に進むことが多いです。
専攻ごとに就職先が異なるので、専攻選びは就職先を踏まえて決める必要があります。
作家志望になる人もいますが、工芸は多くの場合専用の設備が必要になるので、工房に勤めながら作家活動をする場合は多いですね。
特に陶芸やガラスは窯が必要になるので、結構大変。
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金工も騒音が出たりなどで難しいですね。
作家になる場合はいろいろな理由で使える技法が限られてくるので、現状に合わせて工夫して制作する必要があります。
工芸科の受験について
工芸科の受験はデッサンと着彩、立体造形です。
デッサンは必須ですが、着彩や立体は美大によって大きく変わります。
僕が受けたときはムサビは着彩、東京藝大は着彩と立体、タマビは立体もありましたが、着彩のみでした。
内容も大きく異なり、ムサビの着彩は色面によるデザイン的な平面構成だったり、タマビは静物着彩、工芸科は写実的な平面構成です。
複数の美大を受ける場合にはデッサン、着彩、立体の3つと、幅広いテーマの課題を行う必要があるので、割と忙しいですね。
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工芸科が最も受験内容が幅広い学科です。
逆に言えば美術の基礎力が付きやすいと言えるかもしれません。
このブログでは実際に僕が工芸科を受けた経験をもとにおすすめの画材や受験方法を解説しています。
合格の助けになる記事もあるのでぜひ参考にしてみてください。
参考記事はこちら↓
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