美大受験の立体構成(紙・粘土)の上達のコツとポイント
今回は美大受験の実技の立体構成のコツやポイントについてまとめていきたいと思います。
これから美大受験を始める人や、真っ只中の人までぜひ参考にしてみてください。
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僕は武蔵野美術大学の工芸工業デザインを卒業しています。
その時の実際の経験をもとに解説します。
必要な道具
一応必要な道具について簡単にまとめておきます。
どれも必須な道具なので、これからはじめるという方はぜひそろえてみてください。
実際に僕の体験をもとに、具体的な商品をおすすめしていきます。
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実際に受けたい大学の試験の過去の課題文や持参物も確認しておきましょう。
粘土の場合
粘土の立体構成に必要な道具は下記のとおりです
・水粘土
・粘土板
・定規
・粘土ベラ
・ゴムベラ
・切り出す糸
・回転台(あると良い)
具体的な道具の選び方については下記の記事で解説しています。
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受験当日は木べらなどは配布されることが多く、自分で加工したものは使えませんが、
普段使う分には練習になるので自分用のへらを加工して作ってもいいと思います。
実際の試験の道具を使うのは入試直前でもOK
紙の場合
紙立体の場合は主に下記の道具が必要です。
紙立体の場合、課題によってはケント紙以外のもの(スチレンボード、竹ひご)なども組み合わせることもあります。
・カッター
・デザインカッター(30°の刃)
・定規
・ケント紙
・B3パネル
・スチールのり
・水張りの道具一式
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カッターは黒刃のものが切れ味が良くておすすめ。
若干値段はしますが、作品の完成度も上がるので黒刃にしましょう。
発泡スチロールもきれいに切れます
また、接着剤はスチールのりを使うことが多いです。
発泡スチロール用ですが、強力なので紙もしっかりくっつきます。
制作の流れ
制作の流れは主に下記のような感じです。
順を追って解説していきます。
時間配分的には構成までを全体の2割、残りを制作に使うといいです。
最初の構成が悪いどんなに精度を上げて頑張って作っても、良い評価にはならないので、時間をかけたいところ。
アイディアを出す
構成を考える
制作する
自分で講評する
アイディアを出す
まず最初に行うことはアイディア出しです。
イメージ課題とモチーフ構成の課題とでやり方は異なります。
イメージ構成は主にデザイン系の学科で出ることが多く、モチーフ構成は工芸科で出ることがあります。
また、モチーフ構成でありつつも、イメージも組み合わせたものが出ることも。
自分の受けたい大学の過去問を見て傾向を知っておきましょう。
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年によって課題が大きく変わることは少なく、大体毎年同じ傾向の課題が出ます。
たまに傾向がガラッと変わることもあるので、入試直前まではいろんな課題をこなし、入試直前では過去問をひたすら行うのがおすすめ。
イメージ課題の場合
イメージ課題とは「春をテーマに立体構成しなさい」や「文房具をテーマに立体構成しなさい」などで、実際にモチーフが与えれずに想定で自由に考えて構成する課題のこと。
イメージ課題の場合は最初は連想ゲームのように言葉を出していき、そこで出た言葉をいくつかピックアップして構成を考えていきます。
「春をテーマに立体構成しなさい」の場合は下記のような言葉が出てくると思います
・桜 ・菜の花 ・つくし ・フキノトウ ・ランドセル ・入学式 ・卒業式 ・モンシロチョウ ・テントウムシ ・燕 ・ウグイス ・ぽかぽか
考えるといくつも出せますが、このぐらいで大丈夫。
あまり考えすぎるとテーマから離れてしまったり、表現が難しくなるので最初の10個ぐらいから思いつく中から選ぶのがいいです。
3つぐらいに絞ってから構成を考えていきましょう。
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シンプルに春から考えてすぐに思いつくもののほうが人に伝わりやすいです。
奇をてらう必要はありません。
また、一つの作品にいろいろ詰め込むのもよくありません。
逆に伝わりにくくなっていきます。
一つの作品からは一つのテーマで表現しましょう。
モチーフ構成の場合
モチーフ構成は実際に何かモチーフが与えられ、それを組み合わせて構成する課題です。
東京藝大の工芸科の粘土ではこのモチーフ構成が良く出されますね。
モチーフ構成の場合はそのモチーフの特徴を見つけ出すことがアイディア出しになります。
例えば、ビニール袋の場合、透明であるとか、くしゃくしゃとした質感が面白いなど。
また、複数のモチーフを組み合わせたときは、重さや質感の対比が面白いとか、形状が似ている感じが面白いとか。
イメージ構成に比べると考えづらい部分はありますが、ちょっとしたことでもいいので考えておきます。
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ここでアイディアを出しておくことで構成を決めやすくなります。
構成を考える
アイディアを出したら構成を考えていきます。
一つのアイディアからでもその構成は無限大のパターンがあります。
例え春がテーマでサクラをアイディアとしても、100人いれば100通りのものが生まれるはず。
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どちらかというと、アイディアよりもこの構成でほかの人と差がつくようなデザインを考えた方がうまくいく場合が多いです。
構成を考えるときはエスキースをするのも良いですが、実際にマケット(試作のミニ模型)を作ってみると良いです。
マケットを作ると、いろんな角度から見たときの形を詰められたり、なんかダサいかも、、!って気が付くことがあるので結構重要。
紙に描くだけだと一つの方向しか表現できないので、実際の作品とは大きく変わってしまうことがあります。
エスキースしても、実際に作っている最中でなんか違う、、と思うこともよくおこるので、マケットは作っておきましょう。
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制作の中盤でなんか違う、、!と感じてしまうと、絶望の中で制作しなくてはいけなくなるので、構成はかなり大切。
制作する
構成が決まったら実際に制作に入ります。
制作している最中には必ずいろんな角度から周ってみて、どの角度から見てもかっこいいような造形になることを心がけましょう。
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ちょっとカッコ悪いと思ったら、制作の途中でも適宜構成を直していきましょう
ちなみに回転台があると便利です。
明暗のコントラストについて
また、特に粘土の場合、明暗のコントラストも重要です。
陰影は黒が出るので、その陰影をしっかりと出すことが大切。
陰影によって作品に緊張感が生まれます。
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陰影は立体物を構成する大きな要素の一つです。
陰影を含めて構成を考えることは重要。
重さについて
重さの表現は立体では需要です。
例えば、模刻の場合はぱっと見でそのモチーフの重さが伝わるようにしてあげる必要があります。
これはモチーフの地面との設置や、ほかのモチーフとの兼ね合いで表現することが可能。
例えば、紙や布のモチーフであれば地面にぺったりつけるよりも少し浮かせると軽さが表現できます。
重いものは、下にあるものが少し沈んだり、強い影ができるように構成すること表現が可能。
また、重さは構成の面白さを表現することが可能。
重いものを軽くみせたり、軽いものを重く見せたりすることで、立体作品としての面白さが出てきます。
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重さの表現ができるようになるとかなり立体がうまくなります。
自分で講評する
作品が完成したら自分で講評してみましょう。
自分で作ったのでどうしても甘くなりがちですが、客観的に見て講評してみます。
ほかの参考作品と並べるのも良いですね。
具体的なチェックポイントについては後述してまとめました。
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完成した作品は必ず写真に保存してファイリングしましょう。
たまに見返すと客観的に講評できますし、自分の成長を実感できるのでモチベも上がります。
作品の気を付けたいチェックポイント
作品の気を付けたいポイントは下記のとおりです
・課題文から離れすぎていないか
・イメージ課題の場合、パッと見て課題文から伝わるか
・どこから見てもかっこいい構成になっているか
・明暗のコントラストはついているか
・モチーフの特徴を捉えられているか
・作品に緊張感はあるか
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大体こんなところでしょうか。
他にも細かいポイントはありますが、上記をしっかりと抑えておけばかなりいい作品になると思います。
美大受験は大変なこともありますが、美術の基礎力が一番伸びるのは受験期です。
美大に入ってしまうとなかなか基礎はできないので、今のうちだけと思って頑張ってみてください。
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