貸しギャラリー展示の流れと注意点

貸しギャラリー展示の流れと注意点アーティスト向け
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ギャラリー展示の流れ

今回は貸しギャラリーで作品を展示するときの流れを解説していきます。

初めて展示をするときに、何を準備すればいいのかわからないことってあると思います。

僕自身は美大を卒業し、アシスタントや自分の作品の展示の経験があるので、それをもとに今回解説。

ぜひ参考にしてみてください。

ギャラリー選び

まずどのギャラリーで展示するかを決めます。

これが一番重要ですね。

ギャラリーを選ぶポイントはいくつかあります。

・自分の作品がそのギャラリーの傾向と合うか

・ギャラリーの立地や来客数の多さ、知名度

・他のアーティストやコレクターからの評判

・自分の作品がそのギャラリーの傾向と合うか

ギャラリーはそれぞれ扱う作品に傾向があることがほとんどです。

具象画の油絵なのか、現代アート、彫刻、写真など。

また、展示作家も若い人かある程度の年齢の人かも見てみると良いです。

傾向によって来るお客さんの好みも分かれているので、自分の作品に合うところを選びたいですね。

ギャラリーの過去の展示作品をよく確認することが大切。

こざかい
こざかい

自分と近い作風の作家がどこで展示をしているかを略歴から確認してもいいですね。

・ギャラリーの立地や来客数の多さ、知名度

ギャラリーの立地や人の多さも確認しておきましょう。

ギャラリーの下見に行くことはとても大切。

人の多そうな土日を狙っていきましょう。

作家の知り合いではなく、ギャラリー自体のお客さんが多く来ていれば展示する価値があります。

こざかい
こざかい

作家の知り合いばかりの場合、ギャラリー自体の集客が弱いので、自分で集客できる力がないと結構辛いですね。

ギャラリーの知名度はとても大切です。

・他の作家やコレクターからの評判

ほかの作家やコレクターからの評判も大切。

作家同士でつながっていると、あそこのギャラリーは内輪でもめているとか、逆に人が良く来るとかっていう情報が入ります。

オーナーの人柄などもわかるので、この口コミは大事ですね。

知り合いに作家がいない場合は、自分と傾向が似ている作家の略歴を確認し、何度も同じギャラリーで展示していないか見てみましょう。

そこはいいギャラリーかがわかるはずです。

また、コレクターのTwitterなどもフォローしておくと、どのギャラリーが知名度があるのかが分かります。

こざかい
こざかい

東京だと、アートコンプレックスセンターや新宿眼科画廊は知名度があります。

日程の確認

次に日程を確認します。

大体1週間単位でレンタルできることが多いです。

展示はある程度余裕をもって先の日程にしておきましょう。

搬入出の日程も含めて考えます。

お金をかける展示なので、展示室に合わせた作品の制作と選定、DM制作などの準備をしっかりとしたいところ。

こざかい
こざかい

大体3か月先以降で決めた方がいいですね。

レンタル費用の確認

費用はギャラリーとその立地によりピンキリで、3万円~20万円ぐらい。

銀座の1等地の1階とかだと20万はざら。

自分の顧客がいないときはまずは小さく始めていきましょう。

とはいえ、安いからよいということではなく、安くても全く人が来ないと意味がないので、うまく折り合いをつけましょう。

また、搬入出の日程も出られるか確認しておく必要があります。

契約事項の確認

ギャラリーのレンタルでは契約事項をよく確認しておきましょう。

主に下記の事項ですね。

・作品が売れた場合、手数料などはとるのか

・在廊は必須か

・販売の対応をしてくれるか

・DM等の作成はどちらが行うか

・諸経費の費用について

・盗難などの問題があった場合の対処

・梱包資材の置き場

契約書が送られてくることは少なく、大抵はギャラリーのHPに記載されているのでそこで確認します。

準備するもの

・DM、名刺、ポートフォリオなどの作成

DMなどの印刷物は早めに作っておくと安く済みます。

オンライン印刷は配達までの日数が短いほど料金が高くなります。

大体2週間前ぐらいに入稿しましょう。

それぞれの作り方はこちらで解説しています↓

・搬入の道具

搬入の道具は僕の普段使うものを記載しておきます。

・画鋲

・虫ピン

・釘、ねじ

・引っ付き虫

・両面テープ

・金槌

・インパクトドライバー

・マスキングテープ

・メジャー

・水平器

・定規

・カッター

・ハサミ

・ペンチ

・筆記具

細かいですが、ざっとこんな感じ。

ホームセンターに行けば大抵そろいます。

展示の宣伝

展示の前に自分で宣伝も行いましょう。

自分でできることは主に下記の通り

・美術系のポータルサイトへの告知依頼

・SNSで宣伝

・今まで作品を購入してくれた人への告知

・知り合いや友人等

・美術系のポータルサイトへの告知依頼

展覧会の情報をまとめたサイトはいくつかあり、個人のアーティストでも記載できるものもあります。

無料で利用できることが多いので、とりあえず記載しておくのがいいですね。

・SNSで宣伝

SNSでの宣伝も大切です。

これは日ごろからこまめに投稿

急に明日展示します!と言っても、フォロワーもいなかったり、初めて見た人も興味がわきにくいです。

そのため、自分の作品の制作過程や展示に向けての準備などをツイートしておくといいですね。

・今まで作品を購入してくれた人への告知

今まで作品を購入してくれた人にも必ず展示のお知らせをしましょう。

自分のファンなので、現在の制作の頑張りを伝えることは大切。

作品の購入時に、SNSでの連絡先またはDMを送るための住所を聞いておくことは必要です。

・知り合いや友人等

知り合いや友人を誘うのもいいですね。

とはいえ呼びすぎると内輪の感じが出てしまうので、呼びすぎないこと

自分の知り合いじゃない展示に立ち寄った時に、作家の知り合いばかりで話していたらかなり入りづらいです。

3~5人でいいと思います。

搬入

作品の輸送は手持ち、郵送があります。

車で運ぶ場合は駐車場の確認が必要。

郵送の場合はいつまでに届けばいいのかを確認しておきましょう。

作品がたくさんある場合には赤帽のような輸送会社を使うのも便利です。

作品の搬入の時間は意外と短いことが多いです。

特にアート系のイベント出展の場合は当日の朝行うことも多く、2~3時間で展示なんてこともあります。

そのため、事前に図面を見てどこにどの作品を配置するのかを決めておくことは大切。

こざかい
こざかい

作品が少ない場合はキャリーケースとかに入れて運んだりします。

とはいえ荷物が多いと電車で迷惑になったりもするので、ほどほどに。

在廊

会期中の在廊はできる限りした方が良いです。

作品を販売する場合、基本的に話さないと売れないと思っておきましょう。

お客のほうからすると、作家と話して信頼感を得て作品を買うことも多く、どのような人柄なのか、これからも作家を続けるのかを判断します。

もし自分がお客の立場だったとしても、作品を見るだけよりも声をかけてもらった方が買ってしまうことが多いのではないでしょうか。

また、美術関係の人からお仕事の話をもらえることもあるかもしれません。

僕自身、次の展示が決まるときは大抵、在廊中に美術関係者の人に声をかけてもらったときです。

作品のオーダーについて

作品のオーダーを受ける場合もあると思います。

その場合の流れを簡単に解説していきます。

・作品の概要をギャラリーがお客様から聞く

・作家がギャラリーに見積書を作成

・前金の納入を依頼

・作品の制作

・完成後、後金の納入を依頼

・小作品の場合は作家がギャラリーに一度配送するのが一般的
・大きい作品の場合は直接お客様に配送し施工

作家がギャラリーに請求書を作成

※作品の制作費は前金から捻出。

一般的にオーダー料は作品の価格に上乗せします。

展示した作品と同価格だと、展示作品を買うよりもオーダーが増えてしまうため。

展示作品の在庫が増えてしまうし、オーダーは手間がかかるので、ある程度上乗せした方がいいです。(20%ぐらい)

額装に関しては作家のこだわりがなければギャラリーとお客様間でのみの仕事になります。

搬出

搬出は搬入よりも時間が短いことが多いので手際よく行う必要があります。

原状復帰の方法はギャラリーによっても異なるので、展示期間中にギャラリーのオーナーに確認しましょう。

郵送の場合は着払い伝票を貼って送ってもらいます。

お金関係

お金関係ですが、貸しギャラリーはレンタルの費用以外にも確認しておく必要があります。

・作品が売れた場合、ギャラリーが手数料を取るのか
→貸しギャラリーの場合、大抵は無しまたは1割程度です。

・DMやその他広告物の制作費
→作家が作ることが多いです。

・備品の追加レンタル費の有無

・売り上げた場合の振込方法

ギャラリーによっては口約束になってしまう場合もありますが、後々揉めないようにもよく確認しておきましょう

ギャラリーと作家の仕事

百貨店の場合
(あくまで参考で程度に。ギャラリーや、掛け率によっても変わります。特別な場合も多く、相談して決めます)

【ギャラリーの仕事】
・搬出入の展示作業(共同の場合もある)
・接客販売
・顧客への宣伝
・外部への広報
・DM等の作成(独自で行う場合)
・クレーム処理
・オーダーの受注
・キャプション、プライスリストの作成
・壁紙、什器等の維持
・作品の盗難防止等の管理

【作家側の仕事】
・作品制作
・作品の梱包(内箱)
・搬出入の展示作業(共同の場合もある)
・在廊(遠方の場合はない場合も)
・DM等の作成
・作品の在庫データ、写真等の作成

費用負担の内訳

費用負担(百貨店の場合)

【ギャラリー】
・搬出の輸送費
・広報費
・顧客へのDM輸送代
・壁紙、什器等の維持費
・レセプションの費用
・作品が売れた場合の顧客への輸送費(作品代に上乗せ)

【作家】
・搬入の輸送費
・在廊のための交通、宿泊費
・DMの印刷費
・顧客へのDM輸送代
・展示のための作家独自の什器や照明等

※費用負担に関して、特別大きな費用が発生する場合はその都度相談になると思います。

クラウドファンディングで展示費用を募るのもあり

もしSNSである程度のフォロワーがいるなら展示費用をクラウドファンディングで募るのもありです。

以前僕はクラフト系のイベントでウォールペイントを行いましたが、その出展費用が5万円くらいしました。

その時に、クラウドファンディングを行ったら、僕の作品を以前購入していただいた方から3万円ほどいただき、イベントを行うことができました。

当時はお金がなかったので、かなり助かりました。

うまくいくとは限りませんが損はしないのでやってみてもいいと思います。

その他展示関係

・展示方法の確認

ギャラリーの展示方法は事前に確認しておいた方がいいです。

ピクチャーレールは使えるのか、ねじうちは可能か。電源や照明はどこにあるのかなど。

ギャラリーを借りる前に必ず下見をして写真を撮っておきましょう。

・図面をもらう

作品の配置を事前に決めるために図面をもらいましょう。

ギャラリーのHPに記載されていることも多いです。

壁面の素材、高さが分かればOK。

参考書籍

最後に、ギャラリーの選び方や、展示に向けての準備など作家に必要なことが記載された本をいくつか紹介します。

詳しくは下記のブログで見てほしいのですが、一番のおすすめはこちらの本です↓

かなり再現性が高いので、実際に自分でも試せるポイントがいくつもあります。

この内容は美大でもめったに教わらないのでかなり参考になります、、、!

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