美大体験記後編 

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こんばんは 小堺です。

今回は体験談シリーズ第三回目の大学生活後編を書いていきたいと思います。

いままでの体験談はこちら

いま走馬灯のように大学時代を振り替えてみて、本当に変なことばっかりやってきました。

その数々をお聞きください。

「ヤギとコンクリートとわたし。」

あれは大学2年の夏。

彫塑の課題があったんです。(彫塑は彫刻のこと)

彫刻っていうと、やっぱり「木を彫るのかなー」っていうイメージですよね。

仏像を彫る。みたいな

そう思うじゃないですか。

頭に温泉で買った白いタオルを巻いたおじさんが、のみをつかって一心不乱に彫るのかなーって

そう期待に胸を躍らせながら彫塑初日

なぜか目の前にはコンクリート車

「なんか違う・・・」

おそらくその場にいたみんなが思っていたと思います。

そしてコンクリートが四角いブロック状の型の中に流れていくのを
ただただ 見るだけでした。

そこから生れたのはただの四角いコンクリの塊。

一辺が90センチほど。

みんなでその重い、重いコンクリートをフンコロガシのように転がし、運びます。

運んだあとはいよいよコンクリを彫っていくわけですが、

その彫るモチーフはある日トラックで運ばれてきました。

それは皆さん動物園でおなじみの白い髭面のあの動物。

ヤギです。

そのヤギをみながら、

作業服(防護眼鏡、マスク、長袖長ズボンのつなぎ。)に着替えます。

この時、時期は7月のはじめ 炎天下

この服装は地獄です。

まるで蒸し風呂。鮭のホイル焼き状態。

毎日「お風呂あがり?」と聞かれてもおかしくない状態。

私は毎日1Lの水を買ってそれを3時間で飲み切ってました。

さいきん巷ではゆるキャラブームと言われてますが、中の人の仕事は全然ゆるくないな。ということを実感させられます。

そんな中、ヤギを横目にみながらひたすら彫り進めて行くのでした。

長野歩き190km

大学の課題って結構テーマはざっくりなんです。

具体的に何を作りましょう!

とかっていう感じでは全く無くて

例えば、

テーマ「対」

テーマ「ファンタジー」

とかって

その一言だけ渡されて作品を制作していきます。

ほんとうにそれだけです!笑

そのテーマを自由に自分の頭の中でこねくり回して作品を作るんです。

で、ある時私にとって人生のターニングポイントとなった課題がありました。

その課題テーマは「コンセプチュアル」

作品のコンセプト(意味)に重点を置いた作品です。

その時は学校周辺(小平市)を調べてそれを作品にするというもので、

日本ではかなりマイナーな町

多分ほとんどの人が知らない小平をしらべます。

なかなか探すのも大変でしたが、

探すと結構特徴があります。

ブルーベリーの産地

ポストの数が無駄に多い(感覚としては50mに一個ぐらい 郵便局の人大変そう)

などなど

こんな感じです

で、1週間ぐらい歩きまわったところで、草の生えた空き地が見つかります。

周りは家があるのにそこだけ何もない。

ドラえもんに出てくるのび太とスネ夫達が遊んでいそうな空き地。

そこを調べてみると、

歴史的に結構重要な遺跡の跡らしいんです。

そして、そのすぐそばにある資料館に入ってみました。

(資料館のおじさんがめっちゃ暇してた)

その中には様々な資料があり、定番の貝塚や地層の断面図、石器などがあり、

その中に私にとって運命的な出会いとなる黒曜石を見つけます。

しかもその黒曜石は小平市では採掘できず、

長野で採掘されたものが道具として運ばれるうちに小平市まで来たのだそう、

また魔が差しました。(二回目)

これだ!

歩こう!長野から東京まで!(徒歩)

そこで作品のコンセプトが決まります。

コンセプト

長野で黒曜石を手に入れる

東京まで歩く

黒曜石で道具を作る

これで決まりました!

そこから私の長い長い旅が始まることとなります。

長野~東京までGoogleマップで調べると大体190km。

長距離マラソンが42.195kmなので大体4回分

車だと時速60㎞で3時間とちょっと(笑)

でも歩くと時速3~4km。

Google先生がいうには、3日あれば行けるとのこと(休憩無しなのでとっても鬼畜!)

この続きはこちら

就職?作家?それとも、に、ー、と?

大学三年生にもなると、いくら美大とはいえみんな進路のことを考え始めます。

進路はみんなどこへいくのか。

普通の大学では迷わずみんな就職すると思います。

「大手の〇〇会社に就職したいー」

「公務員になりたいー」

って思うと思います。

ですが、美大ではそれ以前にまず就職するかしないかで迷う人もいます。

それは作家になりたい人で、

就職かそれとも作家活動をするかでみんなすごく悩むんですよ

就職しない組の人たちの進路としては、

・大学院に進学

・学校に残って助手として働く

・作家になる!

・行方不明になる

主にこの4パターンです。

私も結構このことで悩みました。

進学しても、この問題を先延ばしにするだけだしなーとか、

就職するのも嫌だなーとか

かといってすぐに作家だと生活できるか、、?

このことでずっと悩んでましたが、

いままで周りの友達にもあんまりこの質問ってできなかったですね。

「やめてくれー考えたくないー」状態なので。

大体聞くと

「あぁ」

「うん」

「そうだね」

という生半可な返事が返ってきます。

あんまり触れられたくないんですよね~。

高校生の受験のとき、多くの人はやっぱり美大に行きたい!

って思って目がキラキラした感じで入学するんですけど、

それでもだんだん年が過ぎるうちに、

ちょっとそれってどうなんだろうって目が虚になり始めます。

最初は目が遠く(希望)を見ていたものが、遠く(虚空)を見始めます。

そんな中、もうすぐ四年生となる今、満を持して

同じくこのシビアな問題に悩んでいるであろう友達に、

このめちゃくちゃ聞きづらいことを聞きました。

「どうすんの?」

・・・・。

「えっ?就職だけど?」

・・・・。えっ

え~~~~~~~~~~~

完全に裏切られました。

まじかよ 今は平成の世だよ?明智光秀じゃないんだから

まさか離反なんて、、、

しかも逆にむしろ「就活してないの?」って思われる始末。

その後も知らぬ間にみんな就職希望。

いつのまにかみんな会社説明会に行ってる、、!

そして一人、また一人と就職先が決まっていく。

もう私の心の中では

「ブルータス、お前もか!」というあのカエサルの名言が飛び交います。

この名言はこの日のためにあったのかと思うくらい。

それでも中にはまだ悩んでいる人たちもいて、

その人たちは「就職したくない~~~~~」という気持ちの逃げ道に、

作品を制作(卒業制作)するので、彼らはひたすら卒業制作をしていました。

いうなれば「勉強したくないから、とりあえず部屋を片付けちゃう。」

そんな気持ちです。

私もその一人だったのですが、

私の場合はなんかグダグダやってたら、アシスタントになることになって

ほかのみんな大学院に進みましたね。

なぜアシスタントになったかというと、

大学で残っていて暇をしていたら、

大学の先生が、

「あんた暇でしょ?」(すごく失礼。笑)

ってな感じで制作のアシスタントとして現代美術の作家(顔の怖そうな)のもとに半ば強引に連れられ、仕事をすることになりました。

それから大学とアトリエを交互に行く毎日で卒業後もそこで働くことになります。

大学がマイホーム

私は基本的に大学にいるときが多かったです。

他のみんなは朝に弱かったりするので、みんな朝は来ないし、休んだりしてましたが、

私は本当に朝から晩までいました。

いっそ大学に泊まっちゃうんじゃないかっていうぐらい。

朝は8時ぐらいにはいたし、夜も9時ぐらいまで残っていました。

大体朝行くと誰もいないので自分で工房を開けて、そのあと1人で制作していて、

それで、昼間を過ぎるとひとり、、またひとり、、と集まってきます。

曇りの日だと低気圧の影響で人がなかなか来ないので、

人が来ないと「今日は天気が良くないな」って思ったりしてます。プチ天気予報ですね。

そんなある日の作品講評で教授の一言

「学校にいすぎ」(笑)

大学卒業の制作(卒業論文ではないよ)

美大ではいわゆる論文は無くて、卒業間近になると卒業制作というものがあります。

普通の課題は大体一か月ぐらいかけて1作品を作るのですが、

なんと卒業制作は半年から一年かけて作ります。

大学が4年間なのに1年ってやばいですよね。

私の場合は半年でしたが、半年もあると時間がめちゃくちゃある!って油断します。(笑)

みんなも最初の1か月~2か月は何にもしてない!

ただ「ただ考えてる。(ふり)」

でなんか最後の一か月(!)になってみんな工房に集まり始めます。

卒業制作の課程はこちら

作品を見ると分かると思うんですが、作品が和紙なんです。

ですが私は「金工専攻」

この卒業制作はある意味問題作です。

私の場合は、7年間金属を使って作品を作ってたんですけど、

「なんか金属をやらなくてもいいんじゃないか」って

また魔が差しました。(三回目)

それでまさかの金工で金属を使わず、ほぼ和紙で作品が完成することに。

しかもそれが優秀賞(いいのか?)

いままで金工の優秀賞はみんなちゃんと金属使ってるのである意味問題作です。

大学のHPにも載ってるし。

卒業式については後日追記します!

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