工芸科のある美大まとめ!
今回は工芸科のある美大についてまとめていきます。
すべては紹介できないので、ある程度知名度と人気のある大学に絞って紹介してみました。
ぜひ参考にしてみてください。
美大の工芸科は伝統工芸寄りか、現代アート寄りかで分かれる
工芸科のある美大は多いですが、その中で僕は大きく2つに分かれると思っています。
主に日本の伝統工芸寄りかそうでないかです。
伝統工芸寄りの美大では、実際の伝統工芸士が指導に携わることも多く、昔の技法にこだわった授業が多いです。
一方でそうでない美大では、そこにこだわらず、技法も新しいものを使い、表現もコンセプトの強い現代アート寄りであることが多いです。
大まかに下記のような感じで分かれています。
伝統工芸寄りの美大
・東京藝術大学 ・金沢美術工芸大学 ・京都市立芸術大学
現代アート寄りの工芸の美大
・多摩美術大学 ・武蔵野美術大学 ・東北芸術工科大学
一概には言えませんが、
国公立の美大(5芸大)は伝統工芸寄りのところが多いですね。
逆に私立の美大は現代よりであることが多いです。
また、もちろん担当教授によっても性質が大きく変わるので、在校生や卒業生から雰囲気を直接聞くのが一番おすすめ。
東京藝術大学
東京藝術大学は伝統工芸寄りの工芸を学べる大学です。
昔の伝統的な技法を授業で使うことが多く、実際の伝統工芸士も指導に加わっています。
ほかの美大の工芸科ではできない(教えることができない)技法も取り扱っています。
本格的に工芸家を目指すのであれば東京芸術大学に行くのがベスト。
大学院への進学率も高く、みっちりと学べます。
・金工(彫金、鍛金、鋳金)
・漆芸
・陶芸
・染織
・素材造形(木材・ガラス)
多摩美術大学
多摩美術大学は工芸科の中では3つの専攻で分かれています。
種類としては少し少なく感じますね。
一応染色は生産デザイン学科にテキスタイルがあり、工芸科とは別れています。
多摩美術大学の工芸科は大きな作品を作ることが多く、特に陶芸は大きな窯を持っており、ほぼ占有して焼くこともできます。
工芸科に入ってからの選択肢は少ないですが、作品はかなり大きなものを作れます。
大きい作品を作ることは美大でしかほぼできないことだったりするので、その点ではいいですね。
・金工
・陶芸
・ガラス
・染織(別学科)
武蔵野美術大学
武蔵野美術大学は工芸工業デザイン科の中に、インダストリアルデザイン、プロダクトデザイン、工芸と分かれており、さらに工芸の中で専攻に分かれています。
プロダクトデザインなどと同じ学科なので、工芸専攻でも比較的実用的なものを作る課題が多いです。
陶芸であれば器や急須、木工であれば家具を作る機会が多いですね。
専攻は2年次に分かれるので、それまでほかの専攻の課題も体験できるのがメリット。
工業デザイン学科は入ってからの選択肢が多いのがメリット。
どの専攻に行きたいかが決まってなければ、いろいろ試せる武蔵野美術大学がおすすめ。
・金工(彫金、鍛金)
・木工
・陶芸
・染織
・ガラス
金沢美術工芸大学
工芸で盛んな金沢にある金沢美術工芸大学。
名前に工芸とついていることからもわかるように、工芸がとても盛んです。
工芸では、東京芸術大学と並ぶ人気を誇ります。
東京芸術大学と同様に伝統工芸寄り。
近くに工芸科育成の養成所の卯辰山工芸工房もあったり、県からの助成金の支援も手厚いので、その点でも良いですね。
僕の知り合いも卯辰山工芸工房に行って、作家として自立した人を数人知っています。
卒業制作を見に行きましたが、特に漆のクオリティが高いと感じました。
漆芸をやりたいなら一番有力な選択肢です。
・金工
・陶芸
・染織
・木工、漆
京都市立芸術大学
京都市立芸術大学は金沢美術工芸大学と雰囲気は近いです。
染織と漆に強く、伝統工芸寄りになっています。
金沢と同じで、京都も比較的伝統工芸への支援が手厚いので、おすすめ。
ちなみに金工はありません。
・陶芸
・漆芸(木工を含む)
・染織
大阪
東北芸術工科大学
東北芸術工科大学は工芸では割と人気のある大学の一つです。
私立系の美大の中では学費も比較的安いのもその理由のひとつ。
多摩美術大学と同様に染織(テキスタイル)は別学科であります。
・金工
・陶芸
・漆芸
・染織(別学科)
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