美大受験 平面構成のコツ
今回は美大受験の平面構成のコツについて紹介していきます!
私大系平面と藝大系平面に共通する描き方のポイントをまとめたのでぜひ参考にしてみてください。
ちなみにこの記事は初心者向けのものになっています。
制作の流れ
平面構成の制作の流れはこのようになっています。
・アイディアを考える
・構図を決める
・着彩をする
アイディアを考える
最初にまずクロッキー帳などにアイディア出しをします
このとき、出来るだけ多くのアイディアを出して、いいものだけ5個ぐらいに絞れるといいですね
アイディアはとにかく下らなくてもいいのでたくさん出します。
そのあとに、良いものを選びます。
いかにいいものを選べるかがセンスになりますね。
アイディアを出すコツ
・連想ゲーム感覚で考える
何かをイメージしたものや連想するものを表現する課題の場合、言葉だしでアイディアを出しますが、
この時に連想ゲーム感覚で行います。
マジカルバナナというゲームみたいに、〇〇といったら〇〇という感じでアイディアを出していきます。
このとき、絵で表現するイメージを考えずに出すと突拍子もないアイディアが出てくるのでおすすめ。
・ポスターを作る感覚で考える
自分がそのモチーフで広告(新聞の中や、電車の中吊り広告など)を考えて、最高にカッコいいイメージを作ります。
これは実物のモチーフを渡される課題で特に有効。
実際の過去のポスターの名作や、写真などを参考にするといいです。
また、構図を上達する訓練としては、クロッキー帳に決められた幾何形体を使っていろんな配置パターンを考え出すのが効果的。
例えば、丸、三角、四角をひとつずつ使った構図のパターンを50パターン出すなど。
また、平面構成の課題によっては実物のモチーフが与えられる場合があります。
この場合、見た目の特徴を探すことがとても重要。
与えられたもののモチーフの美しい部分を観察したり、モチーフ同士を組み合わせてできる現象を観察してみましょう。
アイディア出しは普段からいろんなものを自分で考えておく練習をしておくと引き出しが増えます。
アイディアの例
ここでいくつか参考の例を出しておきます。
・春をテーマにベタ面の平面構成をしなさい
アイディア
・春=暖かい、ぽかぽか、フレッシュ、雪溶け、新芽、桜、入学式、卒業式、ウグイス、モンシロチョウ
・鉛筆を使って平面構成をしなさい
・鉛筆=六角形のハニカムが並んだ感じ、たくさん横に並べた感じ、ダース売りされる感じ、鉛筆の黒と色鉛筆のカラフルな感じ、文字や線が書ける、書くときにカリカリ音が出る、鉛筆の削りカス、消しゴムで消せる
こんな感じですね。
アイディアを取捨選択する
たくさんアイディアを出したら、使えそうなものだけをピックアップします。
この時に考えることはこの2つ。
・自分のイメージや意欲が湧きやすいか
・そのアイディアはわかりやすく、伝わりやすいか
割と自分が描きたい!と思うのは結構大事で、アイディアを出す時になんか気になるものや、すでに構図が浮かぶものがあるはず。
それはとりあえず仮採用にします。
また、アイディアが他の人に伝わりやすいかは結構重要。
例えば春だと、桜は伝わりやすいですが、同じ春の花のヒヤシンスやスズランは伝わりにくいはず。
パッとみて伝わりにくいものは除外します。
※アイディアは奇抜なものを考える必要はありません。
ありふれたアイディアでも、構図や見せ方で十分にかっこよくなります。
アイディアをいくつかしぼったら、それぞれで構図のパターン考えていきます。
アイディア1個につき3つほど出せばOK
言いたいことは一つに絞ろう
アイディアを作品に落とし込むときに、言いたいこと(アイディア)を一つに絞ることはとても重要。
アイディアを詰め込みすぎると伝わりにくくなってしまいます。
たくさんアイディアが出ることはよいことですが、夢中になるとたくさん詰め込みすぎてしまいたくなります。
ですが、気持ちを抑えて一つの作品で伝えたいことは一つにすることを意識しましょう。
これはデザイン業界では”マイナスのデザイン”と呼ばれています。
デザインには足し算と引き算があります。
構図を考えるときのポイント
構図を考えるときのポイントは下記のとおりです。
・アイディアや意図が伝わるか
→詰め込みすぎていたり、テーマから外れたアイディアになっていないか
・粗密のバランス
→目立たせたい場所は密に、目立たせたくない場所は疎にする
・明暗の差をどのように出すか
→目立たせたい場所はコントラストを強くし、差し色を入れる
・画面の四隅が同じ粗密になっていないか
・動きはあるか
構図を考える時は、実際の画面と同じ比率で小さめの案をいくつも書きます。
このときに、明暗まで描いてあげて、どのように明暗のコントラストをつけるかも考えましょう。
構図のポイント
構図は動きやリズムを作ることでカッコよくなります。
動きは画面の粗密をうまく作ることで自然と生まれますよ。
リズムも動きのひとつで、例えば同じ図形を並べた時に、少しだけ崩してあげるとリズムになったりします。
構図に関して練習する方法は、クロッキー帳に決められた図形を使って構図の違うものをいくつも書いてみる方法があります。
例えば、四角と三角2つだけで構図の案を100個書いてみるなど。
この練習で構図の引き出しが出てきます。
構図でありがちな失敗
構図でよくありがちなのが、寂しいと感じることです。
色のメリハリが弱かったり、画面の四隅の色が同じような感じだったり、動きがなかったりなどが原因で起こります。
寂しいとなりがちな人は思い切って大胆な作品作ることを意識しましょう。
とりあえずめちゃくちゃ大きくモチーフを入れてみたり、数を増やして寂しくなくしていきましょう!
構図のコツについて詳しくはこちらで解説しています↓
色を考えるときのポイント
構図が決まったら色を考えましょう。
・アイディアのイメージから適切に考える
春でもイメージによって配色は変わります。
ぽかぽかな暖かい春のイメージなのか、
春の新鮮なフレッシュな感じなのか、
冬の寒さから抜け出したような春なのか
アイディアから配色のイメージを練っていきましょう。
・基本となるメイン、サブ、アクセントの3色を決めて、そこから徐々に色を増やす
色を決める時はまず、メイン、サブ、アクセントで考えるとまとまりやすいです。
最低限この3色があればなりたちます。
メインカラーは最も面積を広く取る色で、作品全体の色を支配します。
なので1番最初に決めます。
次にサブ色ですが、これはメイン色の次に面積を占める色になります。
サブ色は必然的に、メイン色と隣り合うことが多くなるので、メインと相性の良い色を選びましょう。
このときに、メイン色と明暗・色相・彩度のコントラストをはっきりつけておきましょう。
このコントラストが弱いと地味でぬるい平面構成になってしまいます。
いい作品はモノクロで見てもカッコいいです。
スマホのカメラ機能で簡単にモノクロに写せたりするので、自分の作品も一度モノクロにしてみてあげるといいですね。
アクセント色について
アクセントとは差し色のことで、画面を盛り上げる時に使う隠し味的な色です。
この色はメイン色とサブ色と並べた時に目立つ色にします。
アクセント色は彩度の高い色を選ぶのがベターですね。
メイン・サブ・アクセントの3色が決まったら、必要に応じて色を増やしていきます。
この時に増やす色も、どの役割をする色なのかを考えることが重要。
配色の例
ここでいくつか僕の作った例を出していきます。
メイン クリーム色
サブ 暗めの茶~赤色系統、水色
差し色 黄緑
メイン 青系統
サブ 紫、オレンジ
差し色 水色 オレンジ
隣り合う色とは必ず色相、彩度、明度のどれかで差をつけているのかわかるでしょうか。
色彩には美しくなる配色のパターンがあるので、それを覚えると自然ときれいな配色が作れます。
これに関しては色彩検定の3級と2級の本がとてもわかりやすいので、暇な時に読んでみてください。
配色に関してはいろんな配色のサイトや本があるので、そこの色をそのまま使った方がいいです。
特に色選びが苦手な人の場合、この配色で失敗するのはかなり時間がもったいないので、さっさと参考になるものを引用してしまいましょう。
僕自身、かなり配色に関しては苦労しました。
特に男に多いのですが、自分には色のセンスが無い!と思ったら配色の本を買ってそのまま引用してしまいましょう。
配色のセンスをあげるのは時間がある時にやっていけばOK
色彩の上達方法はこちらで解説しています↓
実際に着彩をする
いよいよ実際に着彩をしていきます。
まず画面に鉛筆で下書きをして書いていきます。
下書きの段階でも一度冷静に離して見てみて、しっかり粗密ができているか、構図がいいかを確認しておきます。
絵を逆さまにしてみたりすると、粗密や色のバランスがわかりやすくなったりします。
ベタ面の平面構成の場合、直線は必ず溝引きを使いましょう。
制作のワンポイント
作品の周りに白い余白を作って塗る場合、絵の具で汚したく無いですよね。
その時はマスキングテープを使うと便利です。
そのまま貼ると粘着力が強いので、一度服などに軽く張り付けて粘着力を落としてから貼るといいです。
マスキングテープも幅広のものがあったりするので、余白全部に貼るのもありかもしれません。
作品が完成したら講評
作品が完成したら講評です。
チェック項目ごとに自分の作品を客観的に講評してみましょう
チェック項目
・課題のテーマに合っているか、伝わるか
・配色はテーマのイメージに適切な美しいものになっているか
・色の明暗、色相、彩度のコントラストはしっかりついているか
・遠くから見ても目立つか
・構図の粗密はつくれているか
・画面に動きやリズムはあるか
・作品がなんとなく寂しくなってないか
また、過去の参考作品の中に自分の作品を並べてみるとかなり比較になるのでおすすめ。
平面構成を上達させる
平面構成を手っ取り早く上達させるにはまず、過去の参考作品の模写をひたすら行うのがおすすめ。
模写をすることで、自然と美しい構図や色の感覚が身に付いてきます。
模写は美術予備校によってはあまりやらないところも多いですが、かなり効果的なので家で描くのもあり。
平面構成におすすめな画材についてはこちらで解説しています↓
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